エンディング産業展 第一衛材(株)

つい最近まで第一衛材さんの商品を知りませんでした。
実は、女性なら「スリムさら」と言えピンとくるでしょう。
その他はペットシートや介護用おむつ、医療用品など。

ここは吸収体を製造する総合メーカです。
当日はここでドライアイス・ガード(低温やけど防止用の包)と棺に敷く吸収体を展示してました。
何故、吸収体が必要かと言うと、棺の中に入れる前もそうですが、お亡くなりになった時、きちんと処置をしていないと多少なりに体液が漏れ出します。
葬儀社は漏れないようにドライアイスで固めますが、固まるまで、とくに夏の暑い日などはなかなかご遺体が固まりません。

吸収シートは棺の中だけではなく、ストレッチャーでも使えます。
逆に病院からの搬送でストレッチャーの上にご遺体をお乗せすることで、ストレッチャーの汚れや作業員の安全にも繋がるかと思います。

ここでお話を伺ったときに、これは消臭効果は?そして除菌効果は?と質問してみました。
消臭には別の臭いを被せる方法と脱臭の原理があり、消臭には臭いを臭いで覆い被せる(いわゆるファブリーズみたいなやり方)と脱臭(臭いだけを除去する)があります。
やはりメーカさんなので色々と試験をされたとのことで臭いを臭いで被せると悪い相乗効果が生まれると判断されました。想像してください、生魚の臭いをファブリーズやレノアの消臭スプレーで消せますか?
次に脱臭効果。これも実は棺の中に入れて密封するので効き目が抜群かと思いやら、二酸化炭素濃度が高くなるので、色々と性能のバランスが取れないとのこと。

次に殺菌能力、これもまた難しい。
世の中に「XX菌まで殺せます!」と言う過大宣伝しているものが大半です。
実は、そんなに殺菌できないのが事実です。
やはり検証されたのとことで、思った以上の殺菌効果が得られなかったので見送ったそうです。
中には全く効能がないものすら出回っていて、仮に効能があるなら、人間にも害を及ぼすほどの劇薬であることを理解して欲しい。こう言うのに限って何十万倍にも希釈されていたりし、全く効かないので注意してもらいたい。

要するにバランスは難しいです。
しかし、吸収体によって病原菌を吸い取り安全な環境にしてくれる時代が訪れることを願うばかりです。
私が現役だったころ、法医学の専門家である杏林大学 佐藤喜宣教授が「あなたがた、一番危険なものを扱っているのを理解しているのか?我々は完全防備していても私は結核に2度もなった。葬儀屋さん、無知すぎる!」と演説されたのが未だに脳裏に焼き付いている。

少しでも二次感染、三次感染を防げるような時代になって欲しいです。

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