遺影はポートレイト

昨日、音声心理学を行っている友人が新しい講師のトレーニングのためにモニターさんを探しており、私のところへ案内が来ました。
時間の都合などもあり、誰でもいいわけではないので、簡単にネットで募集を掛けれるわけでもなかったのです。融通が利く知り合いであることが望ましいとのことで、結局私がモニターとなりました。

音声心理学は、声が発生する周波数分布にてその人の精神状態などを客観的に見ていく研究をやっていて、実は私も数年前に勉強をしていました。なので、自分の当時の波形などがどのようになっていたかも知っていたので、私としてもあれから人生が変わったので、見るチャンスでもあり、外人記者クラブの委員会から急いで戻ってきました。

講師の方は美容院に機材や消耗品を卸している会社の社長さんでして、スタッフがよりよい働き方と生き方、そして会社に就職しているだけではなく、一人の会社のファンとして社会に参加して欲しいと言う願いからこれを学ぶようになられたと。
実際、私も個性心理學やアクティブ・ブレイン・セミナーにも参加して参りました。
どの内容も、山の頂上に登るのにはルートは一つだけではないと言うことで、登ってみたら、みんな同じ頂上であったと言うのが見えてきました。

アクティブ・ブレイン・セミナーは記憶術を通して自分も人々も豊かになろう。
個性心理學は他人を明らかに認めて、人間関係のストレスを減らしてより良い社会を作ろう。
音声心理學も同様に、自分を客観的に見て、心の処方箋がどこにあるのかも知り、より良い生活に結びつけようと。そして、登ってみたら、みんな同じ頂上で「はい、こんにちは」でした。

さて、この社長さんは美容室にて今、自分が一番きれいなヘアースタイルを残してみませんかと。そして、ポートレイトは遺影で、自分の輝いているときを大切にしてみて、残しておこうと言う運動をされていらっしゃる。
実は、この発想、私の大判カメラの師匠の玉田勇先生も同じことをされてらっしゃいました。
しかし、カメラマンである玉田先生が気づいたのは、美容院でセットしたとき、スプレーなども当時は使っていて、さらにシャンプーで髪の毛の油も落ちているなか、スプレーで固めたヘアーは変にテカると。実際、次の日にセットしたほうがより美しく髪の毛が落ち着いているとも判明しました。しかし、お客様に次の日に再度いらしてくださいとは言えないので、当時は試行錯誤の中、美容院さんにもかなりの負担が掛かり（当時はフィルムカメラですからね！）頓挫したと伺ってます。

私が伝えたのは「遺影」と伝えるとお客様は怒りますよと。
大切なのは、「今ある美しさを残すポートレイト」ですよと。
そして、美容院でどのようなヘアースタイルだったか、記録していけばいいわけです。
そして、万一のとき、「あっ、あの美容院でおばあちゃんの写真データがあったはず！」と思い出していただければと。そうすることで遺影バンク代わりになるわけです。

昨日も書きましたが、運転免許証の写真を引き伸ばすのは非常に困難です。
まず、汚れているし、そして小さい。更にプラスチックカバーがあるのでスキャナーにかけると変に光沢が入って写りが悪くなる。そこをナンとか我々は技術力でカバーするわけです。

さて、お客様のお写真を撮影するには、光源のある女優ミラー（メーキャップミラー）を活用するといいですよと伝えました。これは光を均一に照らすからでもあります。
しかしポートレイトと言うのはそう簡単ではない。
背景もすごく気になることがあるし、着ている服もコントラスが必要だったりする。
必要な場合、衣装も貸し出すこともあれば、その着替えなど、そしてプラスαの時間も有する。
それだけの余裕がお客様にあるだろうか。

ビジネス的に考えても、4席設けることができるところに1席削って、その撮影場所を提供せねばならない。いわゆる機会損失と言うのが生じる。営業利益がそれだけ減ることになる。
そう言うのをどれくらい理解できるのだろうか？

そして「遺影撮影ですよ」は禁句です。
「ポートレイトを残しましょう」と言うのが正解です。
はい、ポートレイト写真は遺影です。
たまたま、それがご葬儀に使われるだけです。
なので、どんどん撮影してもらいましょうね。

今後もどんどん撮影してください。
もう一つ大切なのは、万一のとき、パソコンに入れっぱなしにしておくと、自分以外、パスワードがわからないので、写真が使えないことがありますので、これだけはUSBメモリーとかに保存されるか、CDに焼いておき、どこかわかるところに保管してください。
通常、お仏壇があるご家庭なら、仏壇の引き出しをお勧めしております。

仏壇がないご家庭なら、保存したデータをUSBメモリーに保管し、ダイイングメッセージと一緒に枕元や冷蔵庫にでも吊るしておいてください。そして、そのデータを葬儀屋さんに渡してください。もし美容室で写真でいただいたなら、額に飾らず（太陽光で色褪せする可能性がありますので）、封筒に入れて保管しておいてください。