Virtual Graveという発想があります。
これはオンライン墓地です。
日本人にはあまり馴染みがありませんが、海外ではこれを通じてオンライン死亡記事を提供していたりします。
さて、日本のオンラインでお参りサイトというのはいくつかあります。
私の友人である山梨県甲府市の「石の声」さんという石材店の社長が10年近く前にQRコードを墓石に貼り付けて人々にオンラインのお参り場所を作りまして、海外でも話題になりました。
その後、フューネラルビジネスフェアやエンディング産業展にて似たような仕組みを提供してくる会社が増えました。
果たして事業が成功していて増えているのかどうかはわからないが、お参りすることは大切であることは間違いない。
まして、今、核家族化が進むなか、葬儀もお墓も要らない人が増えてきている。
私が一番懸念しているのは、そのオンラインお参り場所がいつまで存在するか。
昨今、情報が早く動くなか、事業も駆け足で動いている。そこで、その会社がいつまで存在するの?と考えると、なかなか遺族としても情報を預けたいと思わないだろうと。
映像としてはYouTubeなどに制限付きでリンクをするのが良いかと思いながら、実際、その映像を作った会社の権限で動作することになるのでなかなか難しいのも事実である。
自分でデータを管理し、自分がYouTubeやその他のオンラインで提供できる権限を持たない限り。そして、どれだけの人が誰にでも見て欲しいかという懸念事項も存在する。
やはり、それは遺族だけが管理できる仕組みがオンラインでは必要かと。
さて、この海外の仮想墓地は、誰が亡くなったか登録することで、検索ができる仕組みになっている。勝手に生きている人を登録することができないので、死亡届みたいなのを提出する必要があったりする。
日本でもそこまでの仕組みはまだ存在していない。
たぶん、今後もないでしょう。
日本での「仮想墓地」という場合、各霊園がそこに登録し、墓苑管理している石材店向けに、XX市のAさんがどこの霊園のどこの墓地に地図的に明記する仕組みになるでしょう。
その墓地の位置を遺族に伝える(開示する)仕組みを提供し、大きな霊園の場合、お墓参りのときにどこどこへ集合という情報発信ができる。
一番大切なのは、登録している人たちが自分たちのお墓の位置を他の人達に伝えられることだと思う。まして、自分も、祖父の墓がどの辺りにあったか一度見失ったこともあり、しかも幾度も自分一人でお墓参りしているにも関わらず起きた事件でもあったからだ。
それをGoogle Mapなどで(APIは有料となります)石材店が季節や命日などに合わせて発信することもできる。
これからは散骨も増えるなか、どのように霊園ビジネスを運営するかが課題でもある。
まして、「樹木葬」の定義が当初より変わったこともあり、どのように檀家も少なくなって、墓不要論が強くなれば日本の「参り墓」(まいりばか)制度を改めて改革する必要があります。