仏壇メーカを訪ねて彦根まで

こんにちは。
今月から葛飾FM(FM78.9)の一つのラジオ番組のスポンサーをすることになり、先ほど収録が終わりました。
番組名が「まきかよの言いたいホーダイ ピーパー横丁」で、全国16局ネットで放送いたします。

https://kfm789.co.jp/monday/#16

23:00〜

23:00-23:30

まきかよの言いたいホーダイ?ピーパー横丁

パーソナリティ:岬まき・伊藤佳代子

ちょっとばかりクセの強い熟女ふたりが、今話題のニュースから、身の回りで起こった些細な出来事までピーチクパーチクしゃべりまくるトークバラエティ。
おしゃべりに参加している気分で楽しめる30分です。

という番組で毎週月曜日23時から放送しております。

さて、先週は色々とありまして、彦根の仏壇メーカさんに取材へ行きましたのでご報告いたします。

LinkedIn にも書きましたが、こちらでもご紹介したいと思います。

近江の国、彦根にある仏壇メーカを一昨日の 2019/04/13 に取材しに行き色々と意見交換をさせてもらいました。

お邪魔したのは、一昨年からエンディング産業展で名刺交換及び意見交換をさせてもらっている彦根仏壇専門のメーカ「永楽屋」さんで、文政3年(1820年)に創業したメーカです。
そもそも仏壇が出来たのは、戦国時代が終わり、徳川が統治し始めて平和になったので甲冑づくりから仏壇づくりになったとのことです。

余談ではあるが、日本の葬儀屋さんの始まりは、戦国時代に戦場に無数に転がった遺体を片付けさせるために、源平の大将らが部下に片付けを命じたのが始まりだということらしいです。

さて、仏壇と聞いて、最近の皆さんは辛気臭い、臭い(漆や線香)、邪魔、大きい、誰も死んでない(究極)などのご意見をいただきます。それは本当にそうです。

まず、仏壇を置く「仏間」がないです。マンションにんは仏間がありません。都会のマンションではこのスペースを有効活用する以外にないです。仏壇を置くなら実用性のある食器棚を置きたいのは人情です。手元供養であっても場所を取りますがこれは、ちょっと片隅に置くことができるのと移動できるので、大した問題にはなりません。
しかし、これが大きな仏壇であった場合、希少価値である都会のマンションスペースだとかなり悲しい出来事に発展しなくもありません。

次に、掛け軸などを飾る「床の間」がないです。このスペースも都会ではもったいない領域です。掛け軸すら飾るところがないのも現状です。
これも余談ですが、3月に日本外国特派員協会にて、居間がなくなった住宅にグラフィックデザイナーが考えた掛け軸を展示し、住宅に色とデザインをというイベントが開催されました。

では、仏間がなくても仏壇は飾れるか?もちろん、答えはYESですが、そもそも仏壇って何のためにあるのか皆さん知ってない。要するに先祖供養の場なのですが、最近は核家族化してきたのと医療が発達し、亡くなった人を見ることが少なくなり、葬儀そのものも減ってきた時代です。それゆえに仏壇と縁が薄くなりました。

仏壇は、仏様(亡くなった方)のお家である。

つまり、そこには先祖も住んでいます。実際、人間様だけではなく、ペットも一緒に祀っている人もおります。それはペットも家族だからです。

仏壇を作るには大きく7工程があります。

1) 木地師がカンナなどをを使い形を整え、次に 2) 宮殿師が組む

3) 彫刻師が飾りを掘り、 4) 錺り(かざり)金具師が金型を作る

5) 塗り師が漆やワックスを塗り、6) 蒔絵師が絵を描き、最後に 7) 金箔押師が金を貼り整える

 

どれも熟練の技術が必要な日本の伝統文化です。

以前、堀江さん(通称ホリエモン)が寿司を握るのに何年も掛かるような職人文化はやめてしまえと。確かに寿司とかは人間でなくてもできるようになりました。
現にそれが回転寿司です。お寿司の値段が「時価」という恐ろしい文化のアンチテーゼとして生まれた技術産物が回転寿司です。
寿司屋さんだけではなく、多くの外食店が丁稚奉公を繰り返している限り、発展はありません。そうやって出る杭を打とうとしたり、進路妨害をしているのだろうかと。

では、この彫り物や金箔の貼りとか機械に出来ますか?答えはNOです。

ある程度までは出来ますが、人間の五感のほうが素晴らしいものが出来ます。
今、この会社でも機械を入れ彫ったり、3Dプリントなどを試していますが、やはり感性含めて人間の手には及びません。

現在、ここの会社は中国から彫り物を取り寄せて、職人に見せて、それ以上の技を磨けるように競争力をつけさせていると。中国が優れているのかというと、またそれも違いますが、中国には中国なりの文化の発展と衰退があり、そこを追求しているだけです。

私が昔、精密機器メーカにいたころ、某カメラレンズを何故復旧しないのか取締役に伺いましたら「和田くん、やりたいんだけど、出来ないんだよ。職人がいないんだ。研磨に関しては人間の手のほうが精密なんだよ」というお返事をいただき、忘れることが出来ませんでした。そして今も同様なんです。
もちろん安い商品や廉価版商品なら問題なく機械で製造が可能です。
それと大量生産効果というのもありますのでコストを抑えることができますが、彦根仏壇はそいうわけにはいきません。

現在、安い仏壇はベトナムにて作られています。そして作っているのがベトナムに仕事を探しき出稼ぎに訪れたカンボジア人が多いと多くの仏壇メーカさんからエンディング産業展にて話を伺いました。仏壇までそういう時代かと痛感しました。

さらに会社では人を雇用しています。この人達を食べさせる必要がありますので、遊ばせていることはできません。故に新しいことをトライするしかないのです。
一つは柄巻師によって譜面台のデザインをさせたとかも

ではどのような新しいことなのかが実は、ここにいる人達は見えていないのです。
多くのこの手の起業はホームページを持って検索エンジンに引っかかり、誰かが見てもらえたらいいだろうととしか考えていません。自ら生きた情報を提供しようとはあまり考えていないのが現状かとも感じました。

仏壇というものは人が死んでから初めて購入するものです。
しかし死んでからだと考える余地があまりありません。
それなら、生きた情報を見通しがつく人たちへ開拓する必要があります。

私からの提案、オープンにして、どんどん新しいものの写真を撮影し、Instagramでもいいので、もっともっと情報発信してくださいと。そこで、相乗効果も生まれるでしょうし、職人さんたちも自分が作ったものが色々な形で発表されることに喜びを感じるでしょう。

その職人さんたちのツールも千差万別で色々とあります。このツールの紹介だけでも日本人以外の方々も興味を持つでしょう。