米国の葬儀市場に日本は追従するか?

米国の葬儀市場・おカネの動きが気になりました

NFDA 2020 EXPOにて米国葬儀市場の動向と動きのセッションがありました。
そこにはエコノミストやコンサルタントの大きなミスがあったと感じました。
感じるどころか、当時(2009年ころから2013年ころ)の市場を読み取る能力がなかったと苦言を呈していた。

今、アメリカでは3大葬儀社があり、そこがかなりの収益を上げていると言われています。
Service Corporation International (通称SCI)、Stewart Enterprise、Park Lawnと言われています。それがビッグ・スリーと呼ばれています。

実際は4社ですが、1社はカナダの葬儀社です。
米国では上場企業が4社なんです。SCI、Carriage Services、StoneMor Partners、Park Lawn。

2018年度決算でだが、売上高がSCIで31.9億ドル、StoneMor が3億1600万ドル、Carriage Servicesが2億6780万ドル、Park Lawnが1億6140万ドルだった。

その中で米国では年間150億ドル産業(1.6兆円くらい)と言われているがそれは正しくないと私は思います。なぜなら、表を見たところ、含まれていないお花の代金などが入っていなかったし、教会への献金などもなかった。

そしてある調査会社によると2023年までに動くおカネは680億ドル(7兆円?)を想定している。
ホンマかいな?

https://www.prnewswire.com/news-releases/united-states-death-care-market-report-2018-2023-market-is-estimated-to-reach-revenues-of-around-68-billion-300755813.html

2020年現在では、葬儀の平均単価が7200ドル(約80万円)でそこに生花や墓地を入れて9000ドルくらいまで上がる(約100万円)。

そして、平均年間250万人が亡くなります。今年のコロナ禍ですでに23万人が亡くなっているので、平均よりも上がっている可能性が高いです。

NHK 2020/11/06 発表 米国感染者数と死者数

感染者数: 9,733,816 
死者数: 236,073

米国には19,500社の葬儀社が存在しています。
日本は6000社くらいでしょう。

そして米国も何世代も葬儀屋さんを続けている家族経営の会社が多いとのことです。

墓地は12万箇所。宗教団体、NPO、個人経営など(日本とは墓地埋葬法が違うので宗教団体や自治体でなくても個人経営墓地が可能ーー葬儀場に隣接していることも多い)。

厚生労働省によると日本の墓地数は約87万箇所ある(これはお寺なども含む)とのことです。
米国の12万を遥かに上回る数字です。しかも米国は日本の国土の24倍ありながら、12万箇所しかない。

注意:これは数字の暴力ですから!
米国の墓地のデカさは日本の数倍から数十倍ですからね!(笑)

北米では、火葬葬儀協会によると2011年では36%だったが、現在は55%くらい(すでに50%を超えている)。日本の火葬率は99.97%です。
そして、2009年の段階で予見していたことが、最終的に火葬は40%で落ち着くだろうと。

大ハズレでした

さらに2025年までには56%に登るだろうと言われているなか、2020年の11月現在で55%に達している。
火葬以外にもアルカリ溶解液で処理する方法もある。

その中で、おカネの動きも気になります。

現状、米国は投資家がたくさんいます。
2020年までには前述の通り、葬儀社は3社で牛耳られているだろうと言われていた中、実際は25%くらいしか市場を得ていない。
残りが個人経営の葬儀社である。

そういう中で買収劇が繰り広げられている。
葬儀社専門の銀行や金融機関があり、買収を手掛けている。
そして、市場を煽っているノンバンクのキャピタリストたちも存在することを忘れないで欲しい。

高齢者が経営して、さらに後継ぎがいない葬儀社は今、売りどきであると。
数年後どころか来年には価値がどんどん下がってしまうぞと。
価値を上げるにはどうするか?

つまり、リノベーションをしたり、葬儀の新しい仕組みを作らねばならないが、高齢者にはそれが無理であり、改革が進まない。
このままではジリ貧になるだろうというので、ファンドや銀行が買い取り、コロナ禍対応での新しい仕組みを作り上げていく。

今がアメリカの葬祭業市場は売り手も買い手もあるブルマーケット。
これが数年後にはどうなっているか。
しかし、売るには価値を高めるしかない。
現状で売ることも可能だ。

だからこそ、日本に乗り込んできて、私に相談しにきた。
しかし、米国と日本は全く違うよ。