前回のお話は「あなた」を意識して聞き上手になろうと。
葬儀屋さんの場合、場数を踏むとどうしても結論が見えてしまいます。
しかし、お客さんは感情が不安定だからこそ、最後まで聞いて欲しいわけです。
今日のお話は感情からプライシングです。
葬儀の価格は祭壇料と決めつけてしまっています。
いや、本当に祭壇料だけなの?
実際、備品だけではなく、棺や霊柩車などの費用も掛かってきますけど。
さて、ここで「価格」と「価値」について。
お客さんは「価格」しか目に入りません。
葬儀の「価値」というのはなんだろう。
価格競争になる商品は「価値がない」か「価値を見いだせない」からです。
PriceとValueです。
EDLP(Every Day Low Price)のイオン(実際はWalmartの謳い文句)。
そこで姉妹ブランドでMaxValueがありますよね。
Max Valueはコスパを意味します。
ELDPはただ安いだけ(コスパは無視)。
食品でコスパだけだというとまとめ買いが一番ですよね。
だからこそ、共同体で購入したり、グルーポンなどが出てきました。
お葬式に対してのベストプライシングとマックスバリューはどこにあるのか考えてみたことありますか?
御社の人件費と一つひとつの「入り」のバランスでしょう。
そこで「適正価格」をつけるにはと悩みますよね。
前回に「競合を見ろ」とお話をしました。
だいたいの目安がつくかと思います。
高すぎても安すぎても駄目ということです。
まず、先週発表されたよりそうが昨年インターネットで実施した調査では7割の人たちがコロナ禍において今後は家族葬でいいかという結果が出ました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000016513.html
それはシンプルであるからという回答が多かったらしい。
では、シンプルだけでよいのか?
シンプルっていうのはどういう意味になのか?
お寺さんを呼ぶ、呼ばない、1日葬、身近な家族のみ、親戚は遠慮してもらう、会食はなし、火葬場で解散、色々とあります。
これという正しい答えはありません。
そして価格帯として60%が30万弱の費用を望んでいると。
いや、この金額ではお寺さんを呼ぶことが出来ないでしょう。
まして、戒名・法名などを葬儀の総額30万では無理です。
お葬式の平均がコロナ前は121万円であった中、30万弱は葬儀屋さんにはきつい話です。
すべてがその内容(20万弱とか)なら、喪家が自分たちで色々な手続きをするか(実際火葬の手続きは防犯のために登録葬儀社でないとできないところもある)、自分たちの車で(霊柩車なしなどで)火葬場へ運んでほしいと言わんばかりになる。
そんなのは無理なので、葬儀屋さんはきちんと価格が妥当であることを訴える必要がある。これを怠るとどんどん価格調整のみにしかならない。
それでも、ある程度「松竹梅」(L/M/H)のオプションを残す必要がある。
3つ以上を入れると人間は混乱することを忘れてはならない。
ましてご生花は喪主以外からは贈られてくるものだろうから、ぜひ豪華にしていただこう。
人件費を節約するには、チェック機構をできるだけ省くためのネットオンラインショップなどがあると便利だ。
忘れてはならないのはお客さんも葬儀のターゲット(予算)決めている。
もちろん葬儀屋さんもお客さん(客層)のターゲットを決めている。
次に葬儀社もこの金額なら、どのような社員を充てがえばよいのか考える必要もある。全員が超一級の葬祭専門士である必要がない。
仕事の規模により予算を決める。
実際、小さい葬儀屋さんの場合、総当りで作業するところなら、人の数だけを考えることが大切である。
下請けを自分の会社の社員のように使ってはならない。
あくまでも協力関係者であることを忘れてはならない。
お客さんは見ているよ。
そして、常にお客さんとコミュニケーションを取れるようにしておくことが大切だ。
互いに自分たちのことを忘れてもらっては困る。
さらに幾度も会話をしていることで安心感を得ることもできる。
プライシングは松竹梅、説明は簡素化に、しかし親身に。
価格は価値の組み合わせによって出来ていることを意識することとお客さんにも伝えることが大切。
しかし、これは事前相談のみに通じる話ですのできちんと事前相談の予約を取ろう。
市場が崩壊する前に葬儀屋さん、手を打ちましょうね。
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