提灯や雪洞

灯りをつけましょ、ぼんぼりに~♪
お花をあげましょ、桃の花~♪

正直なところ、日本人は文化的に受け入れている人が多いだろうけど、さすが新盆の白提灯が毎日飾っているところは存在しないだろうと。

新盆に白い提灯を飾る理由は先祖供養で灯りを炊いてお迎えと送り出しをするところからと言われています。中国から仏教が渡ってくる以前から日本人の死生観では先祖供養があったと言われています。
提灯だけでなく、雪洞(ぼんぼり)

日本の提灯の歴史は、調べると中国から室町時代に渡ってきて、日本人の手で改良され今の形になったそうです。
よく香港や中国の映画でも見るあの赤いヤツなんかがそれです。竹串に紙を巻いたもので、たくさん飾りがついている提灯。基本的に中国の提灯はたたむことが出来ないカボチャ型みたいです。
その提灯ですが、日本に持ち帰ったのが弘法大師だと言われています。

中国の提灯や行灯、雪洞は置いといて、日本のもののお話をしたいと思います。

日本でたぶん一番有名な提灯は浅草の雷門の提灯でしょうか。
日本各地で大きな提灯がたくさん飾られています。

その提灯ですが、日本には三大提灯祭りというのがあるらしいです。
10月に福島の二本松提灯祭り、8月に秋田の竿燈まつり、7月に愛知の尾張津島天王祭りがあるそうです。

葬送文化やビジネスでは、提灯と雪洞が欠かせなかったです。
実家でも、人が亡くなったら、ご自宅に前飾り(葬儀の前に小さな祭壇を飾る)に両脇に雪洞を貸し出していました。そして、灯りを絶やさないようにと。

昔は線香や蝋燭の火をずっとつけっぱなしにしていましたが、危険なので蝋燭は消しましょうというのと、10時間くらい持つ、蚊取り線香みたいな形をした「巻線香」に火をつけて、この前飾りに置いておきました。
余談ですが、線香というのは「臭い消し」でもあります。腐敗していく故人の臭いを線香で消していく役目も果たしていました。

雪洞と灯籠の違いはどこにあるのか?

雪洞(ぼんぼり・せつどう)は正しく高速道路の夜間工事で見かけるあの「ブルマ」を膨らませた感じのものだと思っていただければ。いわゆる「ランプ」です。身近に感じるのは、雛人飾りで飾る灯りでしょうか。

灯籠は、庭の道標の役割をする石灯籠もあれば小さなのものがあります。
基本的に屋内利用が提灯(懐中電灯役として持ち歩くタイプもあります)、固定された屋外用が灯籠だと言われています。灯火の周りにフレーム(竹や金具)に和紙を巻いたものとか色々な説がありますが照明器具の一つだと思ってください。

提灯は歩くときに使うと思ってくれたらいいでしょう。
あの提灯お化けみたいなのは落ち歩きながら活用する。
伝統的な日本の妖怪というのかオバケというのか・・・
東京なら合羽橋に売っています。

https://maps.app.goo.gl/jbAUYNKJQAPHA9td8


フジキ工芸産業

私とフジキ工芸産業との出会いは2017年8月に行われたエンディング産業展(あのペッパー住職がニッセイエコ社で展示されたとき)との出会いでした。その後、10月に日本橋プラザで開催された展示会に行って品揃えを見てきました。今年のエンディング産業展に久しぶりに展示をされて、思わず声をかけてしまいました。

フジキ工芸産業は福岡県の会社で、東京にも支社を有する企業で、正月飾り、節句人形やこのような提灯、雪洞、灯籠などを販売している。
今回はコロナ前(2018年)以来に参加したとのことで、たしかに5年ぶりでもある。

今、日本の葬送文化だけでなく伝統文化が失われつつあり、とても危惧しているとのことだ。

節句人形といえば関東では年明けやすぎると「人形の久月~♪」とCMが流れていたのを思い出す人も多いだろう。
3月、桃の節句と5月、端午の節句で必ずともTV CMが流れている(まだ流れているのかな--私はTVを持っていないので見ていないからわからないのだが)。

久月のCM (合羽橋も久月も台東区ですね)

フジキ工芸産業に話を戻します。

前回、お会いしたときは九州からの部隊と商品部(倉庫)が東京にあり、そこからのメンバーとのことでした。
今回は「東京支社」からの商品部次長がお相手してくださいました。


伝統工芸品がどんどん日本人の生活から消えつつあるなか、外国人が買っていかれるとのことでした。
しかし、日本人形などをどうやって海外へ運ぶのか?

さて、その日本人形(兜や甲冑、雛人形)ならまだマシだが、外国人は葬式に使う雪洞も普通の飾り物だと思って買って帰るとのことです。お正月の羽子板なら嬉しいですよね。

そこならまだいいのですが、多くの場合、奥様が日本人の場合、返品しにくるとのことです。
お葬式の提灯や雪洞を買って帰るとは・・・
そういうのが何回かあって、外国人が買われる場合、事情を聞くとのことです。

ホームページを知らべていたら、日立物流を活用してロジスティクスを運営しているとのことです。
デパートなどの配送はプロの物流センターに任せるほうが安全とも言えるのと、自分たちで仕組みを持たなくてもよい(つまり車両維持などのオーバーヘッドが不要になる)。

あともう一つ書くと、保険がある。
社員が移送中に落として壊してしまっても損失になるだけであるが、物流会社は保険に入っている。
保険と車で思い出すのがビッグモーター社だがさすが、日立物流ほどの大会社がそんなことをするわけはないので安心はある。

ゆえに物流は外部のプロに任せる。

今の葬儀業界もその方向性で動いている。
とくに小さな葬儀社は自前ですべてが出来ないので、専門に任せてアウトソーシングしたほうがずっと利益率が高くなるのです。

とくに、遺影写真を作ることは、毎日自社葬儀があるところならいいが、そうでないところは、大手のアスカネットに任せたほうがシステムメンテも含むみんな任せたほうがそのための従業員を雇うよりずっと安い。

それ故に当社は遺影システム販売をやめたのです。
自社でやるより、アウトソーシングのほうが顧客メリットが大きいからです。

私も妻の会社にアスカネットを利用させた。
そのほうが何かと便利で、自分たちで忙しい中、遺影を作らずに済むし、その間は他の作業ができるメリットがある。

葬儀屋の仕事は葬儀を出すことで、遺影を作ることではないからだ。

Photo by George Milton on Pexels.com

こちらの電球は「ライティング展示会」で発見したものだが、実際、ゆらゆらライティングは行灯などでも使われるし、お店の玄関とかでも活用されるケースが多い。

そういうのも今後は活用していくことが望まれるが、なかなかこういうのが確かである。

そうなるとPhilips HueやLIFXなどを利用して効果を見せる方法もあるが、問題はBluetooth接続であるため、通信が切れるとゆらゆらが止まる。


ちなみに、静岡県の出雲殿(パルモ)では、長年をかけてお盆でもきちんとした祭壇を飾る文化を作り上げたので、このような製品がきちんと活用されるようになっていると鈴木社長から伺ったことがある。

今、多死社会において葬送文化もビジネスも崩れていく時代になってきている。
Yahooニュースなどで見るコメンテーターは実際、現場を知らない人たちが多いのも問題である。葬儀屋さんをやっている人もいるのが救いかも知れない。

お墓も要らない、弔いも要らない人たちが増えたのは経済が停滞したのもあるが、日本人が長生きしすぎているのも課題である。元気で長生きするならいいのだが、管に繋がれQoLが下がったまま生命維持されたまま何もできないといのが課題だろう。

ましてコロナ禍で満足に葬儀を出せなかった人たちが今、悔やんでも取り返しがつかないのも事実である。
できればせめてでも家族葬で弔って欲しいと願うばかりである。
そして、きちんと日本人の死生観に基づいてお盆などを行ってほしいと願うばかりである。