葬儀業界の現状と対策について
死亡者数は増加傾向にある中、この数年、葬儀の平均単価が減少傾向である。
平均単価の下落が顕著に現れたのがコロナ禍で集まることに規制があったときで市場が一気にしぼんだことはだいぶ前からポッドキャストで話しをしています。
更に葬儀の小規模化どころか簡素化まで進んでおり、家族葬や直葬の需要が高まっているのも業界を圧迫しているのも事実である。
都内の5割の葬儀が直葬やそれに近い葬儀だと言われています。
火葬場はパンク気味で、燃料や人件費高騰化で火葬料も上がっています。
コロナ禍でオンライン葬儀などが流行るかと思ったけど、実際はそうでもなかった。人々は葬儀社の提供する高価な仕組みよりも、田舎にいるおじいちゃんやおばあちゃん相手にLINEビデオ通話などで済ませてしまった。
そんな中、多死社会だということで、葬儀業界へ参入してきた異業種も多くいたのも事実である。
それと競争せねばならない現状の葬儀屋さんは競争環境がなお厳しさが増してきました。
葬儀業界は高齢化及び多死社会、そしてコロナの影響で多くの変化に直面しています。
ネットブローカーが影響力を及ぼしたので普通の葬儀屋さんは太刀打ちができなくなったのも事実である。
葬儀専門業者がオールマイティに業務をこなしていた葬儀社の人件費などの固定費、式場を持っているなら斎場などの固定費の回収ができなく困ることが起きてきた。
葬儀社として、何でもいいから売上を立てたいので、今までサービスとして費用請求していなかった作業代を厳格に請求するようにもなった。
まして、通夜振る舞い、返礼品などがなくなったので付帯産業まで厳しい状況に立たされるようになった。
葬儀社も飲食を提供しているところや返礼品を届けているところなどは新しいマネタイズ方法を考える必要が出てきた。
一方、低価格化が進む中、品質は落とせないとか、顧客は高品質を望む時代になったので、葬儀社としてはダブル、いやトリプルパンチでもある。
ブローカーを介すると式場料金を葬儀社が飲む必要があり(独禁法に抵触していて幾度も訴えられている)、これも葬儀社には痛手でもある。
葬儀社としては火葬料の値上げは遺族へ請求するのだが、その火葬料も葬儀料金に計算されるので、遺族としては「葬儀費用一貫」として見られてしまう。お寺へ支払うお布施なども同様である。
これを踏まえた上で葬儀業界としてどう打破できるのかをしっかりと理解する必要がある。
まずやらねばならないのはどんぶり勘定で済ませていた葬儀社の経理を改めて1円単位まで見直す必要がある。そこから原価計算をして、コストをきちんと把握することが大切である。
ここで新しいプランを開発してもあまり意味がないのは何をやっても回収が難しいので、現状の作業のコストを最小限に抑えることが重要である。まして今では自力で他の場所へ出店するよりもMアンドAを介して吸収したほうが市場の混乱を避けるのと、新たに戦わなくて済むので手っ取り早いとも言われている。
しかし、そこには資本が必要となる。
法事などもなくなったので回収が難しい。
葬儀社が自社サービス向けにアプリを開発しても使う人が限られている。
そういう場合、地域に特化したアプリを提供するほうがいいだろうが、会員証なら別だが果たして今の人は無駄にアプリを入れたがるだろうか?
そういう会員証はポイントバック制度や単独アプリよりも、複数の企業のポイントカードと連携したほうが無難だったりする。
逆にLINEでAIチャットの利用を検討したほうがいいだろう。
そのほうが開発コストが最小限で済むし、多くの人たちが日常的に利用しているアプリの便乗である。しかし、現状のLINEもあまり評判がよいとは言えないのは公式アカウントの大幅な値上げがおきたので、情報発信などに制限がある。
しかし、資料請求などへの返信などはすぐにできるメリットがある。
マーケティングで大切なことは、相手に自分のことを忘れさせないことである。
LINEの場合はミュートしていてもブロックしない限り、着信した数字は現れるから何かと意識がそっちへ向くことは事実である。
何しろ非対面が望まれる時代になったからだ。
そうなると、葬儀社として「お葬式は生きているうちに相談しよう!」と促さないと、人はなかなか動かないだろう。
今後、葬儀社は訪問看護師や家事代行サービスを運営することも一つの手段かも知れない。
今日のポッドキャストは2023年を踏まえた来年の業界見通しでもありました。また次回をお楽しみくださいませ。
ご清聴ありがとうございました。