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最初に戦略とは何かを知ることが大切です。
ここでもいく度か「戦略」と「計画」の違いを話してきましたが、なかなか浸透しないので再度お伝えいたします。
「戦略」「戦術」「計画」の違いを知っていただきたいのは、葬儀屋さんの多くが小さい会社だからです。小さい会社こそ、自分に対する「脅威」と「対策」を知る必要があり、そこには必ず「戦略」という概念が必要だからです。
「戦略」がないと、闇雲に相手と戦ったり、無駄なエネルギーを消費したりします。
場合によっては事業を失敗した挙げ句、会社が倒産。
小さい会社が戦うにはそれなりの知恵、知識、勇気が必要でそこをお伝えいたします。

戦略、戦術、計画の違いとは
ここでは事例をあげて説明したいと思います。
「戦略」とは「概念」である。
戦いをどうしたら勝てるのか以前に、なぜこの分野とこの体制で戦うのか、そしてどうやったらこれが実行可能なのかを組み立てる場である。
戦略というのは一貫性があり、筋が通っていないといけない。
その意味では思いつきであってはならず、どうやったら勝利に導けるのかを練る場所である。
更に、これは「実行可能」でなければならない。
葬儀屋さんの場合、どこに斎場を出すかだけでなく、なぜここの地区に斎場を建てるのか。
人口密度、採算性、反対運動などのファクターを計算し、どう会社を大きくすることを導く。
更に広告をなぜ撒くのか、どこに撒いたら効果的なのか、看板をどこに設置するかの概念である。
「戦術」というのは一つひとつの戦いにおいて、どの弾薬をいつ投入するのとか、どれくらいの人数や自分や相手の物流の進め方や止め方の作戦の一つである。
つまり、広告費はいくら投入するのか、そこの地区にはどの新聞社に折り込み広告を投入するのかである。
「計画」というのはただの紙面上に書いた絵空事であっても構わない。
厳しいことをいうが、実行可能である必要がない。
この地区に斎場を4棟建てる計画をしても、実際それが1棟だろうが6棟だろうが関係ない。
これはあくまでも「計画」であり、計画は頓挫することもたくさんある。
ただ闇雲に式場を建てる計画、営業部が人を雇って売り上げを倍増するとかいう話である。
その話は予算編成を無視し、会社の財務状況を意識することなくたんなる「欲しいものリスト」を並べることである。
計画というのは、費用を意識するところから始まる。
誰が、その費用を負担するか。
それは自分であったり、ステークホルダーであったりする。
自分が「買い手」であり、費用をコントロールできる。
子どものころの夏休みの計画が実行されないのを思い出してほしい。
どうやったら子どもなりに実行できるか考えずに、ただ「リスト」を作り上げて眺めているのと一緒である。
これが計画である。
戦略というのは、その計画を実行するのにどうやって、おじいちゃんやおばあちゃんたちから小遣いをもらって自分たちを東京ディズニーランドに連れて行ってもらうかを練る思考である。
根回しみたいなものである。
つまり、実行可能にするには、一貫性があり、筋を通さねばならない概念である。
戦略は計画とは違い、自分が「売り手」であって、どうやって相手を説得させるかを考えるところである。
あなたはそこをコントロールできない。
ではどうしたらいいのか?
まず葬儀屋さんとしては、社葬、一般葬、家族葬、直葬を普通なら考えます。
某葬儀社は、ネットブローカーからのみ受注を受ける仕組みを取った。
自分では広告を出さなく、すべてブローカー経由で、お客さまの満足度を上げるにはどうしたらいいのかを徹底した。
そうなることで広告宣伝費は削減できた。
このご時世の流行りのGoogle検索でトップに上がってくるネットブローカーの広告でしか上がってこなくなり、コストを徹底した。
更に追求するとしたら、霊柩車を同じ車両に統一する、自社内の祭壇も統一する、サービスも明確にすることで明朗にすることで無駄を省く。
多くの葬儀社は式場を建てて、会員を増やして(増やすことは問題ないが方法論がある)、営業所をたくさん作って、看板をたくさん出して、営業を増やしてという無限のゲームを楽しむことに慣れてしまっているなか、某葬儀社は規格を統一し、作業効率をアップするところに重点を置き、「勝つ」方法を考えた。
そして、その「セグメント」の王者になった。
こういうことを考えるのが「戦略」である。
しかも、何度も書くが実行可能でなければならない。
STPとは何か?
「STP」はここでもポッドキャストでいくどか説明したことある。
「S」は「セグメンテーション」
「T」は「ターゲティング」
「P」は「ポジショニング」
STPというのは分析である。
思い出してほしいのは葬儀業界には「固定客」という概念があまり存在しない。
一度葬儀をやっても同じ客が次はいつになるかわからない。
1年先か、10年先か。これが葬儀社を運営する場合の悩みである。
お線香だって最近は買いに来る客が少ない。
YEYのホームページでは「ビジネスにおいて戦略が必要」という概念をお伝えしました。
そこにはSTPが必要です。
自分が狙う細分化したマーケットのセグメンテーションとターゲットはどこにあるのか。
次に、自分の立ち位置のポジショニングです。
これを明確にすることで戦略を作りあげることが可能となります。
まず、「セグメンテーション」において細分化したどの分野を狙うか。
家族葬なのか一般葬なのか、それとも直葬のみなのか。
「ターゲット」を絞ることが重要です。
それに対する自分の企業の立ち位置、「ポジショニング」です。
立ち位置というのは社員の数、予算、式場の仕組み、行動のしやすさを意味します。
その中で「脅威」になるものを洗い出します。
それをどうやったら克服できるのか。
例えば、似たマーケットを狙っている企業が多数あるとします。
それが上場企業なのか、社員30人のところなのか、それとも数名のところなのか。
どっちにしても、「脅威」であることには違いません。
STPを分析したあとにどうしたいのか?
あなたはその「脅威」をSWOTチャートで分析しましたか?
そのマーケットで戦えるだけのノウハウや経験はありますか?
例えば、数名しかいない葬儀屋さんが50名も営業がいる上場企業の葬儀社とどう戦うのか。
相手はローラー作戦を繰り返しきます。
さらに広告もバンバン打ったりします。
ポスティングもします。
自分の会社はそこまで余力がないとしましょう。
同じ戦法では戦えませんよね。
分析することで、「逃げる」「隠れる」「戦う」の選択肢のどれを取るかが見えます。
葬儀社のビジネスにおいて、おおよその年間のパイの大きさはわかっています。
今年の死亡者数は160万人くらいでしょう。
数は年々増えているけど、経済事情を考えると人々が掛ける予算は横ばいか減る方向でしょう。
あまり楽観視はできないのが事実です。
「逃げる」を選択した場合、その市場を諦めることです。
自分の会社にマッチしないということを理解できたことです。
人員、予算、費用対効果、開拓時間があまりにも無駄だと。
企業としての出口戦略を発令します。
「隠れる」または「防御」の場合は、すでにその市場にいて防衛戦をはじめることです。
自分はすでにこの市場で戦っており、何かと利害関係があるということで、嵐が通り過ぎるまでそっと隠れているか、市場を奪われないようにしていることです。
しかし、いくら待ったとしても相手は攻めてくるので戦うか逃げるかしかビジネスでは存在しません。
「戦う」場合は、何かと先手を打つか違う形で攻める手段を取ることです。
葬儀屋さんの場合、相手のほうが巨大資本の場合、きっと何重価格帯の悪いクセを見せてきますのでそのスキを狙ったりすることです。
これは相手の広告を見たらすぐにわかります。
しかも、こういうところはSNSなどを使ったりはしないので、重箱の隅をつつく戦法を繰り返すことも重要です。
巨大な資本を持つところは、それなりに費用もかかるので、小さい葬儀は狙わないことも大きいです。
ビジネスで言えば月商が50億以上の仕事をしているところが20万のビジネスに足元をすくわれたくないのと一緒です。比重を考えることが多いのです。
逆に、そういうところと提携し、安い仕事の下請けになるのも生き延びる方法でもあります。
どう戦うかは相手の出方を見ることも大切ですが、明らかに敵対しているなら相手の本拠地や周囲の葬儀社がどう戦っているのかを調べることも重要です。
まとめ
戦略とは何か: 戦略とは、なぜ、どこで、どうやって戦うのかを考える概念であり、一貫性があり、実行可能でなければならない。
戦術と計画の違い: 戦術とは、一つひとつの戦いにおける作戦や弾薬の投入法であり、計画とは紙面上の絵空事であり、費用や実現性を考慮しない。
まして、計画というのは「やりたいこと」だけのリストアップであることを意識することである。 小さい葬儀社は、戦略を立て、STPを考えて行動することが必要である。
ご相談はこちらまで:
© 有限会社 ワイ・イー・ワイ 代表取締役 和田裕助
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