Podcast: 葬儀はWantsではなくNeeds。選ばれ続けるための『AIDMA』戦略と下ごしらえ

Podcast Season 7 Episode 274
今日は2026年6月9日

今日の狙いは:

葬儀業界におけるマーケティング(事前の関係構築)とセールス(発生時の対応)の違いを明確にし、値引き競争に巻き込まれずに「いざという時にAIDMAのM(Memory)を思い出してもらう」ための具体的な仕組みづくりを伝えます。

こんにちは、日本でたった一人の葬儀・葬送ビジネスのマーケティングポッドキャスター
有限会社ワイ・イー・ワイの和田です。
死に方改革®研究者及び旅のデザイナー®、あの世への旅です。
「葬儀はWantsではなくNeeds。選ばれ続けるための『AIDMA』戦略と下ごしらえ」
では今週もいってみようか!

1. 振り返りと本日のテーマ

皆様、今週も始まりました。 ここ2週間にわたって、選ばれ続けるための戦略シリーズで、今回が第三回目です。葬儀業界の大きな変化についてお話ししてきました。先々週は「お墓の多様化」について。現在、従来のような石のお墓を建てる人はわずか17%に激減し、代わりに樹木葬が4割以上を占めるトップになっています。 そして先週は、そんな激動の時代に「選ばれ続ける葬儀社」とは何かをお伝えしました。価格や設備だけでなく、最も重要なのは4Pフレームワークプラスもう一つのP、「人(People)」であり、誠実な役務提供が最大のブランドになるというお話でしたね。

さて、自社の「ターゲット(誰に)」と「コンセプト(何を)」が見えてきたところで、今週は「どうやってお客様に伝え、選んでいただくか」という具体的な戦術について深掘りしたいと思います。ここで役に立つのが、マーケティングの古典的フレームワーク「AIDMA(アイドマ)」です。


2. 葬儀業とAIDMAの特殊な関係性(WantsとNeeds)

AIDMAとは、消費者がモノを買うまでの心理プロセス、「A、Attention(認知)」「I、Interest(関心)」「D、Desire(欲求)」「M、Memory(記憶)」「A、Action(行動)」の頭文字を取ったものです。

通常のビジネス、例えば最新のスマートフォンや美味しいレストランなら、「これ欲しい!」「行きたい!」という『Desire(欲求)』を刺激すれば、すぐにお客様は買ってくれます。 しかし、葬儀は違います。葬儀は「Wants(欲しいもの)」ではなく「Needs(必要なもの)」です。どんなに素晴らしいプロモーションを見ても、「今すぐお葬式をあげたい」とはなりませんよね。身近な方が亡くなる瞬間が来なければ、需要は発生しないんです。

だからこそ、葬儀業界のAIDMAにおいて最も重要なのは、D(欲求)ではなく「M(記憶:Memory)」なんです。


3. 「Memory(記憶)」の重要性と終活の現実

なぜ「記憶(Memory)」がそこまで重要なのでしょうか。 ここで、皆さんに知っていただきたい現実があります。エンディングノートを書き終えている人は、実は全体のわずか4.4%しかいません。終活への意識はあっても、95%以上の人は「何も準備していない状態」のまま、いざという時を迎えてしまうんです。これはまさに、見て見ぬふりをされている大きな問題、「Elephant in the room」です。

お客様がいざというパニック状態になった時、ポータルサイトで一番安いところを探すのか、それとも「あそこに頼もう」と指名してくれるのか。勝負の分かれ目は、お客様の「記憶(Memory)」に御社が残っているかどうかにかかっています。


4. AIDMAに落とし込む具体的なアクション

では、どうすればお客様の記憶に残り、「Action(行動・依頼)」につなげることができるのか。これまでのエピソードでお話しした具体策を、AIDMAに当てはめてみましょう。

  • Attention(認知)と Interest(関心): ここでは、過剰な割引などの煽り文句は使いません。代わりに、日々の誠実な役務提供の姿、「偽りなき役務」をSNSやホームページで地道に発信し続けます。スタッフの顔(People)が見えることで、「ここは信頼できそうだな」という関心(Interest)を引きます。
  • Memory(記憶): 一度関心を持っていただいた、あるいは過去にご縁があったお客様との「接点」を維持します。例えば、樹木葬を選ばれたお客様に対して、年1回法要の案内などの連絡をする。QRコードを使ったデジタル墓誌などを通じて、故人の記録を振り返るタイミングを提供する。こうした「気にかけてくれている」という小さな積み重ねが、強烈なMemory(記憶)となります。
  • Action(行動):
    そして、いざ「Needs」が発生した瞬間。強固な記憶があるため、他社と比較されることなく、御社への「依頼(Action)」という結果に結びつきます。

5. クロージング(マーケティングとは下ごしらえである)

いかがでしたでしょうか。 葬儀業において、セールスとは「発生した需要に対応する行動」です。一方でマーケティングとは、いざという瞬間に思い出してもらうための「下ごしらえ」に他なりません。

「石のお墓を売ること」から「故人の歩みを記録し、尊厳を持って送り出すこと」へ、価値の源泉はシフトしています。泥臭く誠実な信頼の積み重ねをAIDMAのプロセスに沿って構築していくことこそが、2026年以降の多死社会において、選ばれ続ける唯一の武器になるはずです。

今週はここまでです。ぜひ皆様の会社でも「お客様のMemory(記憶)に残るための下ごしらえ」が何なのか、考えてみてください。それでは、また来週!以上です
さようなら


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