Podcast Season 7 Episode 273 選ばれ続ける葬儀社
「選ばれ続ける葬儀社」が、2026年の今、絶対に値引きをしない理由。
一昼夜では作れない『偽りなき役務』とブランドの醍醐味
先週のポッドキャストは「お墓は変わった、だから葬儀社も儲け方を変えろ」というものでした。
今回もその続きです。
全国の葬儀社経営者の皆様、こんにちは。台風6号が来ていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
5年前の2021年、私たちはコロナ禍という未曾有の変化の渦中にいました。そこから5年。社会のあり方、人々の死生観、そして葬儀の形は想像以上のスピードで激変しました。 「市場が縮小し、かつてのようなやり方が通用しなくなった」-そう頭を悩ませている経営者の方も少なくないはずです。私も皆さまと同様にその一人でした。だからこそこのポッドキャストを業界のために続けています。
しかし、あえて申し上げます。市場は小さくなりましたが、私たち葬儀社が直面している「本質的な状況」は、実は5年前とほぼ変わっていません。
ポータルサイトへの依存、価格競争の泥沼、そして「どうやって自社を選んでもらうか」という悩み。この一見変わらない苦境の中で、生き残るだけでなく、地域で圧倒的な信頼を勝ち得ている葬儀社があります。しかもドミナント戦略で。
変わる社会と、変わらない本質。これらを結びつけることこそが、マーケティングの本当の醍醐味です。
今日は、2026年の今だからこそ、経営者が立ち返るべき「4つのP」、そしてその先にある「偽りなき役務の提供」について本音でお話しします。
有限会社ワイ・イー・ワイの和田です。
死に方改革研究者®及び旅のデザイナー®。あの世への旅です。
今日は2026年6月2日です。では、行ってみようか!
時代が変わっても、人間の心理は変わらない
マーケティングの本質は、50年以上前から驚くほど陳腐化していません。なぜなら、マーケティングとは「人間の心理」に訴えかけるものだからです。ただし、その心理が表現される「形(法律、風習、テクノロジー)」は時代に従わなければなりません。
現代の葬儀業界で言えば、WebやSNS、生成AIなどのデジタルツールを使いこなすこと、そしてポータルと呼ばれる仲介業者を「使われる」のではなく「上手く活用する」視点を持つことです。だが、ポータルへの依存が非常に危険になったことはいうまでもありません。皆さまも5割も搾取されたらお客様へ提供できる品質が下がるのは当たり前。
私も悩みました。
だからこそ、ポータルへの依存をできるだけ減らしていくために、皆さまにポッドキャストを通じてお伝えしています。しかもこのポッドキャストを2019年2月8日の第一話を開始してからすでに7年以上も経っております。
ここで、マーケティングの基礎である「4つのP」を、今の時代に当てはめておさらいしてみましょう。 Place、Product、Price、Promotion です。
- Place(場所・式場): 自社斎場なのか、地域に開かれたコミュニティ空間なのか。
- Product(商品): 直葬、家族葬、一日葬から一般葬まで、多様化・小規模化したお葬式の形態。
- Price(価格): 単なる安さではなく、お客様が「この内容なら納得できる」と感じるコストパフォーマンス。
- Promotion(プロモーション): 認知と価値の拡大。
そして、私たち葬祭業に最も欠かせない5つ目のP、それが 「People(人)」 です。
「どうやって」の前に、考えるべきことがある
多くの葬儀屋さんが一番悩むのは、「4つのP」の最後にある「Promotion(どうやって伝えるか)」です。 しかし、マーケティングには絶対的な順番があります。
- 誰に(ターゲット)
- 何を(コンセプト)
- どうやって(戦術)
この順番を間違えてはいけません。「どうやって」というチラシやSNS、HPのテクニック(戦術)を先に考えてしまうと、軸がブレます。大切なのは「戦略」です。
だからこそ、私はずっと戦略が大切であることをいつも伝えております。
今もなお、価格の割引や「役務の無料化」といった古いプロモーションに頼っている葬儀社を見かけます。しかし、二重価格でお客様の不信感を煽り、さらにポータル業者に高い手数料を支払っていれば、割引の先にあるのは大幅な赤字とブランドの失墜だけです。 はっきり言います。中古車販売ではないのですから、「今なら4割引き!」などと煽るお葬式に、本物の価値などありません。お葬式に「中古」も「型落ち」もないのです。
私たちがプロモートすべきなのは、価格ではなく 「コンセプト(自社なりの葬儀のあり方)」 なのです。
セールスとマーケティングの逆流関係
日本人が一番混同しやすいのが「セールス」と「マーケティング」の違いです。 セールスとは「販売行動」です。しかし、お葬式は「Wants(欲しいもの)」ではなく「Needs(必要なもの)」です。身近な方が亡くなるという、その瞬間が訪れなければ絶対に発生しません。
「今、必要になった。だから葬儀社を呼ぶ」
これがセールスです。お気づきでしょうか。セールスとは、先ほどの「誰に・何を・どうやって」というマーケティングの順番を【逆方向】にたどることで収益を作っています。 だからこそ、いざという瞬間に選ばれるための「下ごしらえ」であるマーケティング、つまり「誰に向けた、どんなコンセプトの葬儀社なのか」をあらかじめ明確にしておく必要があるのです。
今の市場は、完全に「マーケット・イン(消費者の需要発信)」の時代です。ターゲットを絞ることは、自社の立ち位置(ポジショニング)を決めること。狙いを定めて、自社だけの強みを尖らせる必要があります。その逆が「プロダクト・アウト」で商品を作ったから「これを買え」です。それが当時の互助会です。
【結論】
経営者が目指すべき、偽りなき役務の提供とブランディング
では、私たちがプロモーションすべき「自社なりの葬儀(コンセプト)」とは何でしょうか。 それは、地域、風習、人の繋がり、式場のハード面など、一見すると枝葉の要素に見えるものを、自社の理念という太い幹で統合することです。
葬儀社とは、究極の「地場産業」であり「地域密着ビジネス」です。スーパーマーケットが毎日新鮮な食材を届けるように、私たちは地域に安心と尊厳を届け続けています。
その信頼の源泉はどこにあるのか。 それは、ホームページのデザインの美しさでも、派手な広告でもありません。 「葬儀社の社員、一人ひとりの姿」 です。
社員一人ひとりが会社の広告塔であり、経営者にとって「人材は宝」です。その宝を、より輝く価値あるものにするか、それともただの作業員にしてしまうかは、社長であるあなた自身の判断にかかっています。
2026年の今、選ばれ続けるブランディングとは、一昼夜で仕込まれるような安易なものではありません。 日々、目の前のお客様に対して「偽りない役務」を誠実に提供し続けること。 そして、その誠実な姿勢を、各種SNSやランディングページ(LP)といった現代の道具を使って、嘘偽りなく発信し、更新し続けること。それをAIに拾ってもらうことです。
この「人と人との泥臭い信頼の積み重ね」と「現代のデジタルマーケティング」がカチッと噛み合ったとき、市場がどれだけ小さくなろうとも、あなたの葬儀社は地域から、そしてお客様から、指名で選ばれ続ける唯一無二の存在になります。
これこそが、私たちがこの時代に葬儀社を経営する、最高のマーケティングの醍醐味ではないでしょうか。
本日のお話はここまでです。 次回の配信もお楽しみに。
ご清聴ありがとうございました。
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