Season 5 Episode 192 お葬式の音楽

(一日遅れの7月31日に配信です)

パリではオリンピックが開催、東京では厳しい暑さ、そして秋田と山形では集中豪雨で人が亡くなる事件まで。皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

お葬式ネタで作家村上春樹さんがDJを務めるTOKYO FMの番組で、リスナーさんから自分のお葬式で流す音楽のプレイリストを作成されたけど、村上さんが最後に聞きたい音楽は?と。
その答えは、常に音楽を聴いて生きているので、最後は静かに、しーんとした中がいいと。

ロックグループHeartの曲で、These Dreamsがあります。
その歌詞の一部が、”Sweetest song is silence, that I ever heard.” を思い出しました。

今日のお話は:お葬式でかける音楽は何がいいか

7月10日のjFuneral.comの投稿で「著作権に注意」の話をアップしました。そこで、皆さんは葬儀場でどういう音楽が適切か考えたことがありますでしょうか?

まずどういう手法でお葬式を営むのか。
つまり、宗教はどうするのかで変わってきます。

お葬式で流す音楽とは

お経なのか、賛美歌なのか、そして式の前に流すのか、お別れ時に流すのか、生演奏なのか、そしてどのような楽器を使うのかで変わります。
しかも、「音楽葬」であるのか、単なる追悼だけにするのかでも変わります。

もちろん、こういう場合は著作権を配慮しないといけないこともあるし、JASRACかNexToneなのかでも変わりますが、これについては7月10日の投稿を読んでいただきたいです。


さて、この中で、音楽というはどういう意味合いを持つのか。
まず、音楽の持つ力と葬儀における役割を考えてみたいです。
哲学的になりますが、これを踏まえてどうビジネス展開するかのヒントになれば幸いです。

音楽というのは、故人を偲ぶために流すのが役割ですが、その心を深めるために存在するわけです。

更に参列者の心を慰める、沈ませる意味もあります。

場の雰囲気を作り上げることにも利用されます。

次に、「ふさわしい」音楽について言及したいです。

故人の人格、生い立ちを表したものにするのか、遺族の気持ちを表したものにするのか、宗教観念に基づいたものにするのか色々とあります。 宗教観念に基づいた内容だとキリスト教の賛美歌ですよね。
更に時代背景なども関係するかとも思います。

作曲家として、考えた場合はメロディ、リズム、楽器構成がメインになります。賛美歌と違い、普通の葬儀では歌詞は必要ないわけです。
もちろん、音楽葬では「歌」そのものを流すことが重要ですが、それは作詞作曲家からの視点ではないのは、葬送儀礼をどう踏まえるかの論点だからです。

音楽葬そのものは故人を偲ぶために利用される音楽の原点かとも思われます。音楽の力を利用して暖かく送ってあげることが重要。


そもそも、日本の幅広い葬送文化では音楽や楽器を使い追悼の儀を示すのは伝統でもあり、神道だけでなく、仏教でも歌ったり楽器を利用する習慣があります。皆さんの知っている木魚がそれでもありますね。リズムを取る木魚。

結論として「ふさわしい」というのはあくまでも主観的ではあるが、ハープみたいな楽器で軍艦マーチの演奏は出来なくはないが、オススメはしない(奏者も苦労するだろうと)。もちろんウクレレでロックができるのと一緒の概念でもあり、演奏している音楽家も存在する。

普遍的なテーマとして、命の尊さ、儚さ、愛、別れ、出会いをテーマにした曲が望ましいのだろう。

そして、今ではAIがそれを作ることも可能だが、どれだけ日本人の葬送文化と葬送儀礼に基づいた曲が作れるかが課題になるだろう。
この場合は、著作権は存在しないが、編曲したことにより存在することや、プロンプトを生み出すための著作隣接権が存在する可能性もあるだろう。

今日のお話は以上です

ご清聴ありがとうございました。


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