S5 #201 生前葬で突破口を開けるか?

Podcast Season 5 Episode #201
今日は:2024年 10月 15日です

最近気付いたことですが、私のポッドキャストは再生速度1.25倍にすると聞きやすいです。

葬儀屋さんが高齢者にできるサービスは何だろうと考えたら、結局は終活のお手伝いなんです。
互助会の認可がない普通の葬儀屋さんはお葬式の割賦販売ができないから、誰が見ても後味悪いですよね。
では、どうしたらいいのか。
それなら生前葬を売るといいのか?

前回もお伝えしたけど、2022年12月31日から2023年1月6日にトレンドリサーチ社が行ったネット調査で1500人のうち30.7%が生前葬に良いイメージを持っていないと。
この調査から2年近く経っていて、現状は変わっているはずだ。
最近、生前葬だけではなく、友人の布施美佳子さん(通称MIKERAさん)が「棺桶屋」としてデザインした棺桶で関東圏を飛び回って自分らしい葬儀を提案している。しかも、彼女は葬儀屋さんではなく、クリエイターさんだ。そういう人たちが世間を巻き込んで古い葬送文化の意識を変えている。

今日のお話は:生前葬で突破口を開けるか?

エンディング産業展 2024(第11回)フォー・シーズンズ社の祭壇

生前葬と言えばアントニオ猪木さん、ビートたけしさん、桑田佳祐さん、テリー伊藤さん、他にも亡くなる直前に著名人が何人か行っている。
生前葬を行う目的や本人たちの気持ちはそれぞれあるかと思う。
ビートたけしさんは2009年4月にご自身の生前葬をたけしのニッポンのミカタ!で開催されたと。2011年10月にうちのIGON株式会社が遺言ツアーに関して番組の取材を受けて放送されました。

最近では8月末に行われたエンディング産業展で石田純一さんの生前葬イベントを開催し、展示会を賑わせた。
https://www.oricon.co.jp/news/2341992/full/

生前葬を行う主な理由は生きている間に、自らお礼を伝えたい気持ちであるだろうと。その後、どうにでもなるだろうと。
本当に、もうすぐ亡くなりそうだから、それまでに皆さんへ直接ご挨拶をしたい方もいらっしゃるだろう。それこそ高貴な気持ちである。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000755.000044800.html

2年前の調査から考えると葬儀の民主化が進んだことは確かである。
なぜ今ごろ2年前の調査が話題になっているかは疑問が大きく残る。
今の調査結果なら話がわかる。


現在は定かではないが当時の調査の30.7%がよいイメージではないと抱いていたが、今だいぶ改善されているかと思う。
パーセンテージはわからないが、受け入れられるようになった理由はいくつかある。

Claude 3.5 Sonnet AIによる推測では当時の良いイメージの割合が8%から今では大きく40〜45%くらいが肯定的だろうと判断している。

その40~45%の人たちは「どちらでもよい」という枠に入っていた人だろうと推測する。
なら、良くないイメージの30.7%はどうなったのか?
これは改めて調査をする必要が確実にある。

日本トレンドリサーチからの画像

憶測ではあるが、よくなったと感じている人が増えた理由のひとつが、終活への関心がコロナ収縮後でだいぶ社会が集まることへの意識改革があり、理解度が高まったことだ。
更に高齢化社会の進行にも起因しているだろう。

次に個性的な葬儀スタイルが注目を浴びるようになったのも事実である。
実際、生前葬に対して業界メディア以外に大手メディアでの露出度が増えたからでもある。
知るのと知らないのでは大きく選択肢が変わる。

ただ、その一方で関心は高まっているが、多くの年配者にはやはり受け入れられていないのは、自分が次に死ぬ順番であると意識しており、縁起が悪いと捉えられている背景もある。


若い人ほど受け入れがよく、年配者ほど否定的であることがわかっているので調査は広くまた数多くやらねばならないというのもここでわかった。

クリエイティブな仕事に従事する人ほど受け入れているのが調査で判明するだろう。しかも、その業務に従事しているのは若い人が多い。

ただ、葬儀業界だけ著しく動いているように見えるが、それは一部だけであり、全体的に社会の変化速度は緩やかである。
やはり葬儀の現場を仕切っているのが年配者であり、伝統的な価値観が依然として残っている。
多くのお寺の檀家総代が年配者であり、昔ながらの慣れた葬儀を好む。お寺からも改革できずうちでは困っている相談も受けている。
しかも生前葬そのものが多くの人に馴染みが少ないことも言える。
更に生前葬そのものが特別な人向けと思われている。
言ってしまえば有名人、著名人、芸能人などである。
つまり、未だに葬儀業界の狭い内輪だけの注目であると、みなしてもいいだろう。

改善するには教育や啓発活動の強化、
葬儀業界以外の大手メディアでの露出度を増やす、
若い世代へTikTokなどを通じてSNSで配信する、
コミュニティにもっと葬儀社が働きかけるなどの作業が必要だろう。

言ってしまえば、生前葬は還暦祝いか退職祝いみたいなものであり、それが自分の人生に向かってである。
生前葬は生前中、自分から皆さんへお礼として開くパーティ。
ふと思ったのだが、葬儀保険もあるなら生前葬保険があっても良いのかも。

この中で突破口を開くには、一般の人も生前葬をやってもらい、本当になくなったときは火葬のみでいいのではないか。
そして、しめやかに人生の幕を閉じるという形で。


最終的に葬儀屋さんが若い人のコミュニティに参加する必要があるのだが、社会の順番からすると若い人が葬儀を出すわけではないし、費用も出すのも若い人は圧倒的に少ない。

そしてその若い人たちが20年後、30年後に同じ価値観でいられるかも不明である。
その場合はやはり50代、60代でまだ思考が柔らかい人たちにアピールするしかないが、そういう人たちはどこに集まっているのか。

60代になり定年退職すると、コミュニティセンターや公民館という場所の確率が大きい。それは文化活動を始めるからだそうです。
リスキリングのためにカルチャースクールや生涯学習センターなども視野に入れる必要がある。
更にショッピングセンターも視野に入れる必要がある。
今回のMIKERAさんは高崎オーパでイベントを開催した。
こういう不特定多数がいるところでイベントを開催することが重要だろう。
もちろんSNSを通じて広告を出すのも悪くはない。
Facebookでは65歳以上のみをターゲットにする設定も存在する。
多くのシニアと50代のシニア予備軍は普段のコミュニケーションとしてFacebookやLINEを活用している人が多いはずでそこに広告を出してみるのも手ではある。
その他、ネット上のコミュニティ「おしるこ」みたいなところで専用アプリがあるところもいいだろう。
旧TwitterのXなどはもう活用している層が5年前とは大きく変わったので、ネット慣れしていない年配者向けの人たちには魅力を感じないところだろう。
今を充実させたい50代以上の年齢層はネット上よりもオフラインのリアル会場でないとパッとしないので、ボランティア団体とかと一緒に宣伝するのも一つの手段である。

そのような場所で生前葬のメリットをわかりやすく伝えることが重要ではないか。


生前葬は感謝の気持ちを伝える場としての価値を訴求する場所である。

多くが参加しやすいイベント形式のほうが船旅(クルージングなど)の旅行形式よりは参加しやすいだろう。
費用面は葬儀同様で、施主が出す必要があり、今の時代は「香典お断り」が主流になりつつあるので、参加者に振る舞う覚悟が必要だ。
そして、究極と言えば、前述の「生前葬保険」みたいなのがあれば活発になるだろう。ウェディングの場合はキャンセル保険やドレスに対する保険だが、葬儀みたいにウェディングに対する保険ではない。
しかも、生前葬という枠は葬儀保険にも存在しない。

今日のお話はここまで。
本日もご清聴いただきありがとうございました。
また来週。


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