宇宙人ジョーンズから読み取る日本人の死生観

宇宙人ジョーンズのCMが刺さる

今の日本の死生観を表してお葬式のことと重なる

20年前からオンエアされているトミー・リー・ジョーンズ氏出演のサントリーBOSS 「宇宙人ジョーンズ」シリーズを見たことない人はほぼ日本ではいないだろうと。
実はトミー・リー・ジョーンズ氏は日本でしかCMに出演しないと言い切っているくらい日本びいきのお方です。
それだけ日本を愛している人です。

サントリーBOSSES以外に同じディレクターが作ったソフトバンクの上戸家のCMにもコラボしています。

ここで重要なのは日本人の素朴な死生観を表していることです。

現在の葬儀業界のマーケティングは、「安心・明朗会計(低価格・セットプラン訴求)」か「感動・家族の絆(涙を誘うエモーショナル訴求)」の二極化が進み、生活者から見るとどれも似通ったメッセージに見えがちです。

宇宙人ジョーンズ的な「一段引いた場所から、人間の不器用で愛おしい日常を肯定する眼差し」は、この二極化のどちらとも異なる、極めて現代的で共感を呼ぶ独自のブランドポジションを築く武器になります。

皆さんのお葬式のコンセプトになればありがたいです。

チキンレースをはしない葬儀社

具体的にマーケティングへ落とし込むための切り口を4点提案します。


1. ブランドコンセプトの転換:「お別れの儀式」から「人生のねぎらい」へ

従来の「悲しみを共有する場」ではなく、ジョーンズCMのラストで缶コーヒーを開けるような「長丁場の仕事(人生)を終えた人へのお疲れ様」を空間・サービスの中心概念に据えます。

  • メッセージの方向性
    「立派な人生でなくていい。ただ、この世を一生懸命に生きて、疲れて眠りについた人を、静かにねぎらう場所。」
  • トーン&マナー
    過剰なドラマ性や仰々しい演出を排し、淡々と、しかし温かみのあるトーン(夕暮れ、湯気、ひと息つく沈黙を肯定する演出)。

2. コンテンツマーケティング:故人の「ささやかな日常」をすくい取る企画

葬儀社のWebサイト、パンフレット、SNSなどで発信するストーリーテリングを、「功績」ではなく「何気ない日常の断片」にフォーカスします。

  • 「この惑星の、ある人の一日」インタビュー(事前相談・終活コンテンツ)
    「趣味や仕事の肩書き」ではなく、「一番好きだったラーメン屋」「晩酌の習慣」「口下手だった父がたまに見せた笑顔」など、些細な日常の美しさを言語化するワークショップや事前ヒアリングシートを展開する。
  • コピーライティングの転換
    「家族の絆を永遠に」といった大仰な言葉ではなく、「いろいろあったけれど、悪くない人生だったねと送りたい」「今日も誰かが、長いドライブを終えて帰っていく」といった、生活者の等身大の哀愁に寄り添う言葉を採用する。

3. メモリアル演出の刷新:「ただ、〜〜だった」コーナー

式場内の展示や追悼スライドを、ジョーンズのモノローグ構造(愚直な日常+ささやかな肯定)で再解釈します。

  • 「色あせた愛用品」の展示
    CMの「色あせた方がかっこいいものもある」のように、ピカピカの遺品ではなく、使い込まれて擦り切れた作業着、手垢のついた道具、長年通った散歩コースの写真などを主役に据える。

ドラゴンボールGTの最後でパンちゃんがベジータに「そいつは大事に取っておけ」と。

  • 見送り人の距離感を肯定する
    「大泣きできない」「実感が湧かない」という遺族の戸惑いに対し、「客観的に、静かに眺めるだけでも十分な見送りである」というメッセージを添えることで、儀礼の重圧を解きほぐす。

4. 競合との差別化(ポジショニング)

  • 価格訴求型(直葬・家族葬格安系): ドライすぎて「作業」に見えてしまうリスクがある。
  • 感涙訴求型(大手・伝統系): 演出が重く、今の「スマートに送りたい」「迷惑をかけたくない」層には気恥ずかしさを感じさせる。
  • 「ジョーンズ的(第三者・無常観)ポジション」:
    「引き算の美学」と「深い肯定感」の両立。 さっぱりと無駄を削ぎ落としながらも、故人の生きてきた時間を丸ごと温かく認めてくれるという、現代の単身者や小規模家族に最も刺さるスタンスを取りに行けます。

そこで一つ大きな問題がある。

今のお葬式は、安く見せつけて高くアップセルをする嫌らしい問題が大きくある。

みんなその場では口にしないが、後ほど色々な方々から伺ったとき、30万のお葬式が200万まで膨れ上がったと、憤りを隠せない。

これが今の「価格訴求型」の問題で、ドライだからこそ、歩合制があるから価格を釣り上げようと試みて、問題になっている。 

「30万円〜」と入口で安心させ、動転している遺族に対して「このランクの棺では故人が浮かばれない」「普通の方はこれくらい付けます」と罪悪感を煽って200万円まで釣り上げる。この「安売りチラシで釣り、後ろめたさにつけ込んで刈り取る」手法は、人の死と別れの尊厳を冒涜する行為に他なりません。

宇宙人ジョーンズの視線が持つ「乾いた誠実さ」は、この卑しいアップセル構造に対する強烈なアンチテーゼとして機能します。

なぜ「ジョーンズの視線」がアップセル批判の解毒剤になるのか

1. 「罪悪感の搾取」を根本から無力化する

アップセルが成功してしまうのは、遺族側に「お金をかけないと、薄情な家族だと思われるのではないか」という世間体や罪悪感があるからです。 しかし、ジョーンズ的な価値観は「人間の価値は、最後にかけた金や派手な祭壇では決まらない」という徹底したリアリズムに立っています。

  • 「立派な花の祭壇などなくても、あの人が好きだった缶コーヒーが一本あれば、それで十分この人生は報われている」
  • 「色あせた作業着のままでいい。見栄を張る必要はどこにもない」

葬儀社側がこのスタンスを堂々と打ち出すことは、遺族にとって「余計なオプションを断るための免罪符」になり、搾取から解放される救いになります。

2. 「無駄な装飾」ではなく「疲労へのねぎらい」に徹する

現場で歩合のために単価を吊り上げる営業担当者は、遺族にとって「悲しみに寄り添う味方」ではなく「隙を狙うハイエナ」に見えています。

ジョーンズが体現しているのは、「多くを語らず、ただそこにいて、仕事(人生)を終えた者に温かい缶を一本差し出す」ような距離感です。 「あれもこれも必要です」と売り込むのではなく、 「もう十分頑張って生きてこられたのだから、これ以上飾り立てる必要はありません。静かにお茶を飲んで、一息ついて見送りましょう」 と、引き算をプロとして肯定する。この姿勢こそが、アップセルに嫌気がさしている人々に圧倒的な信頼を生みます。

マーケティング・事業設計への落とし込み

この思想を単なる綺麗事に終わらせず、商売の骨格にするためのアプローチです。

  • 「定額・追加一切不可」の宣言(アンチ・アップセルの明文化)
    「当店にはランクアップ用のカタログはありません」「故人の人生に、松・竹・梅をつけるのをやめました」といった、業界の悪習を自ら断ち切る姿勢を前面に出す。オプションを売らないこと自体を最大の付加価値にする設計です。
  • 「見栄のための費用」を「記憶のための時間」へ
    祭壇を豪華にする20万円があるなら、式場の時間を1時間延ばして、家族で故人が好きだった音楽を聴きながら思い出話をする。お金を「物(原価の安い飾り)」に落とさせるのではなく、「静かに納得して別れるための時間」に使う提案です。
  • スタッフを「営業マン」から「静かな見届け人」へ
    歩合給で遺族の財布を狙うセールスではなく、淡々と、しかし敬意を持って故人と遺族の最後の時間を黒子として支える。ジョーンズのように「余計な口出しはしないが、仕事はきっちりこなす」プロフェッショナリズムをブランドの顔にします。

業界が「安さ」と「後ろめたさ」のチキンレースを続けている今だからこそ、「見栄や虚飾を剥ぎ取った、等身大の人生への敬意」を愚直に貫く姿勢は、深く静かに、しかし決定的に生活者の心を掴みます。

そこでチキンレースをさせないためにはどうしたらいいのか?

ブランド宣言:チキンレースをしない葬儀社

安さの看板で客を呼び込み、別れの混乱や罪悪感につけ込んで価格を吊り上げる。現代の葬儀業界が繰り広げる「格安訴求とアップセルのチキンレース」は、人の死と別れの尊厳をすり減らし、見送る人の心に深い不信と後悔を残しています。

私たちは、そのチキンレースから完全に降りることを選びます。

1. 人生の価値に「松・竹・梅」をつけない

故人が懸命に生きてきた毎日は、誰かと比べるものでも、棺のランクや祭壇の花の量で測るものでもありません。 見栄を張るための過剰な装飾や、遺族を試すようなオプションのカタログは用意しません。「これで十分、悪くない人生だった」と誰もが胸を張れる、過不足のない形だけを最初から正直に提示します。

2. 歩合のための営業マンではなく、淡々とした「見届け人」であること

遺族の財布を狙うセールストークを一切禁じます。 私たちの役割は、大げさな言葉で悲しみを煽ることでも、高額な演出を売り込むことでもありません。長い旅を終えて疲れて眠りについた人へ、静かに一杯の温かいお茶を差し出すような距離感で、その退場を黒子として淡々と、誠実に支えます。

3. 「見栄の費用」を「静かな納得の時間」へ

虚飾を削ぎ落とすのは、ただ安く済ませるためではなく、残された人たちが故人の不器用で愛おしい日常を思い返し、静かにねぎらう「時間」を取り戻すためです。 あとから膨らむ請求書に怯えることなく、心おきなく「お疲れ様でした」と言えること。それこそが、現代において最も贅沢で誠実な見送りのあり方です。

飾り立てない。煽らない。駆け引きをしない。 この惑星で懸命に生きた名もなき人の幕引きを、ただまっすぐにねぎらう場所であり続けます。

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こちらは8ページマンガの例です

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