多死社会とはなにか?そこからどうやって葬儀屋さんは動くか。

Podcast Season 6 Episode #231
今日は:2025年 7月 1日です

葬儀業界の「人」とAI(愛)❤️に関して、マーケティングをどうするかがテーマです。
多死社会の定義は何かを考えると、簡単にいうと「団塊世代全員が後期高齢者になった」というところです。

その中で昨年、2024年の死亡者数が160万人を上回りました。
総務省の統計調査によると160万5298人とのことです。
この数字はコロナ後からどんどん上昇しており、予定より8年前倒しで160万人の死亡者数を突破してしまいました。実際、コロナのときは死亡者数が下がったのは人が出歩かなかったために、交通事故死など他の災害での死亡数が減りました。

だが、また社会活動が復活した2022年から年々年間死亡者数は増加気味で今年も160万人の死亡者数を上回るだろうという勢いらしいのですが、葬儀の現場を見ますと、首都圏ではあまり人が亡くなっていない感じもします。
それは火葬場の予約が簡単に取れたり、待ち日数が普段より少なめだからです。

死亡者数の増加傾向は全国一律ではないことを意識していただきたい。
書き起こし配信にはChatGPTでまとめた表を掲載しておきますので、見ていただくとわかります。

注意してほしいのは地方で死亡率が高いのにはそれなりに理由があります。
まず、若年層の流出と同時に高齢化が急激に進行しています。
死亡率が高い高齢者と人口減が負のスパイラルに陥っています。

一方、東京や神奈川、さいたま副都心、千葉市では他の地域からの人口の流入があり、相対的に若く保たれるので死亡率が低くなります。
単純な死亡者数や死亡率の比較だけで、人口構造の歪みを理解することはできません。これだけを見ますと落とし穴にハマります。

こんにちは、今のところ、日本でたった一人の葬儀・葬送ビジネス及びマーケティング ポッドキャスター 有限会社ワイイーワイの和田でございます。
死に方改革® 研究者 及び 旅のデザイナー® 、あの世への旅です。

今日のお話は: 多死社会とはなにか?そこからどうやって葬儀屋さんは動くか。

しかも久しぶりのNO AI収録です!
では、行ってみようか!


「粗死亡率」(英語でいうとCrude Death Rate)があります。
ここでの定義は:
粗死亡率=当該年の10月1日時点の総人口年間の総死亡者数​×1,000
普通は10万人単位で表記しますが、数字をもう少し正確に見せれるので千人単位で表しています。
つまり%ではなくパーミルでお話をいたします。

先ほど申し上げましたが、死亡者数と死亡率が圧倒的に高いのが秋田県、高知県、青森県、山形県、岩手県です。とはいいつつ地方の死亡率はどこも高いのと東京、沖縄、滋賀、神奈川、そして愛知が低いのが伺えます。

だが3週間前のポッドキャスト、エピソード228を聞き直していただければわかるようにこの東京と3県は厚労省の予想では2040年まで死亡者数が伸び続けるだろうと。
これは今いる中高年が前期と後期高齢者になるからでしょう。


総務省の人口推計によると、2024年10月1日時点で秋田県は65歳以上人口の割合が39.5%、75歳以上人口の割合が22.0%と、いずれも全国で最も高い水準です。
このような人口構成の地域では、たとえ医療水準が全国平均以上であったとしても、住民一人ひとりの加齢に伴う自然な死亡リスクの高さから、社会全体の死亡者数は多くなり、結果として粗死亡率は非常に高くなります。

更に付け加えると、秋田県の人口減少は-1.87%と全国で最も高く、12年連続でワースト1位となっており、高い死亡率と低い出生率、そして若年層の流出が重なった結果であることが判明しております。

東京都は2024年に埼玉県と並び、人口が増加した数少ない都県の一つです。人口増は、死亡数が出生数を上回る「自然減」を、他県からの転入者数が転出者数を上回る「社会増」が原因です。

秋田県の高い粗死亡率と東京都の低い粗死亡率を直接比較して、秋田県の健康状態が悪い、あるいは東京都の健康状態が優れていると結論づけるのは早とちりです。

考えねばいけないのは人口動態と地域別死亡率の連関です。
日本の国土全体で進行している深刻な二極化です。
人口が流入し続ける大都市とその反面、流出と高齢化が止まらない地方の格差が拡大している二極化のメカニズムが存在しています。


地方圏、とくに東北や四国、実は私はどっちも好きなところですが、若い人たちが高等教育やよりよい雇用を求めて大都市へ流出する傾向がバブル崩壊以降ずっと続いているわけです。
2024年には、東京と埼玉県を除いて実際、神奈川県も含めて45の県が人口減を経験しました。「自然減」と「社会増」の二極化のメカニズムが存在しています。

ここで次は交通インフラが課題にもなります。
地方では車がないと暮らしていけなく、大都市圏では徒歩ですべてが賄う現象です。今は、首都圏に暮らす若い人たちは運転免許を保有しなくてもじゅうぶん暮らしていける環境にあります。
つまり、車の維持費が必要ないのと駐車場も必要ないわけです。
一方、地方圏ではそうはいきません。
逆に高齢者はいやでも車を運転せねばならなくなり、事故なども自然に増える構造になっています。

これについて、先週の地方観光DXのイベントで奥会津と高知県役所の方々と意見交換をしたところで、自律型自動運転システムが救いになるだろうと。

更に空き家問題も出てきます。
これは地方圏だけでなく、首都圏も含めてです。
現在、推定900万戸の空き家があるとのことです。
実際、売れ残っている新築も含めると数倍あるだろうと。
古い物件だけが空き家ではないわけです。
そして、倒壊寸前の危険な物件なども多々存在します。

単純に取り壊す、建て直す、修理し貸し出すとかで、都会へ流出した人たちを呼び戻すことはできません。
これには問題解決の糸口が見えておりません。
東京一極集中、地方の衰退という長年の課題で人口動態を見ているだけで、都道府県別の人口の増減、死亡者数の動向だけを見ていると本質を見誤る危険性があります。

第一に、日本全国の死亡者数は一貫して増加しており、この傾向は2070年までも続くと予測されています。

第二に、都道府県レベルで見ると、死亡動態は全国一様ではありません。
その差異を最も強く規定している要因は、健康水準の違いよりも、各地域の「年齢構成」と「人口移動」であることが判明しています。

第三に、このことから、粗死亡率の単純な地域間比較は、地域の状況を誤って解釈するリスクを伴います。
高い粗死亡率は、必ずしも医療水準の低さを示すものではなく、高齢化が進んだ人口構造の結果であることが多いと判明しています。

そして、最も重要なことは葬儀社としてこの状況にどのように対応していくかです。

  1. 地方における高齢者の移動・生活支援:
    • 地方の高齢者が車なしでは生活しにくい状況を踏まえ、葬儀の打ち合わせや準備だけでなく、日常的な外出支援(買い物、通院など)のサービスを提供することで、高齢者の生活を支える。
    • 地域住民向けの送迎サービスや、地域内の移動手段の確保に協力することで、交通インフラの課題を補完する。
      これには自律型自動運転システムが必要だと思っています。
  2. 空き家問題への対応:
    • 葬儀後の遺品整理と合わせて、空き家となった実家などの片付けや処分に関する相談窓口を設ける。
    • 不動産会社や解体業者などと連携し、空き家の有効活用や処分をサポートすることで、空き家問題の解決に貢献する。
  3. 情報格差の是正と地域コミュニティの維持:
    • デジタルデバイドが進む高齢者層に対し、オンラインでの情報提供だけでなく、対面でのきめ細やかな情報提供や相談対応を行う。
    • 葬儀の場を通じて、地域住民のつながりを維持・強化する機会を提供し、希薄化する地域コミュニティの再構築に貢献する。
    • 高齢者向けの終活セミナーや相談会を定期的に開催し、人生の最終段階に関する情報提供と地域住民の交流の場を提供する。
  4. 死亡者数の増加と地域特性に応じたサービス提供:
    • 全国的な死亡者数増加に対応するため、効率的な葬儀サービスを提供しつつ、火葬場の予約状況など地域ごとの状況を把握し、柔軟に対応できる体制を構築する。
    • 人口構造の歪みや人口移動の現状を理解し、大都市圏では「社会増」による若年層の流入を考慮した多様なニーズへの対応、地方圏では高齢化の進展に対応した手厚いサポートなど、地域特性に応じたサービスを提供する。
  5. 「死」に関する社会教育と意識改革:
    • 「多死社会」という現実を社会全体で認識し、死生観や終活に関する情報発信を行うことで、国民の意識改革を促す。
    • 葬儀の専門家として、死に関するタブーを減らし、誰もが安心して最期を迎えられる社会づくりに貢献する。

これらの貢献を通じて、葬儀社は単に葬儀を行うだけでなく、地域社会の課題解決に積極的に関わる社会インフラとしての役割を果たすことができます。

今回もこの情報が一人でも多くの方に届くことを願っています。
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ではまた次回をお楽しみください。
今回もご清聴ありがとうございました。
以上です。


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