Podcast Season 5 Episode #204
今日は:2024年 11月 5日です

行旅死亡人という言葉があります。
これは江戸時代にできた法律用語です。
一言でいうと「行き倒れ」です。
昨今、問題になっているのが京都市役所の対応。
居酒屋で倒れた人がケータイや病院の診察券を持っていたにも関わらず、身元不明で処理されて火葬されてしまった。
誰がどう見ても、京都府警と京都市役所の怠慢です。
実は警察庁では、各都道府県の身元不明者情報を提供するホームページがあり確認できます。
https://www.npa.go.jp/bureau/criminal/mimotofumeilink.html

閲覧できるからと言って、それが庶民だけでなく、市役所できちんと連携されているのかというと、「ただ便宜上掲載されているだけ」です。
もちろん、「行旅死亡人」は官報にも掲載されており検索できます。
しかも有料ではありますが、国立印刷局が提供する「官報情報検索サービス」が存在し検索できます。
ここのシステムの問題は申込みがアナログでオンライン申請ができないことです。
日本のデジタル社会への遅れは果てしないなと。
しかし、ここはそれなりの人しか活用しないからいいのかも。
そして「インターネット官報」も記事の見づらさはハンパない状況です。
それを補うために個人が趣味で「官報検索」サイトを作って明治16年(1883年)からの官報情報の中を検索できる仕組みを作っています。
https://search.kanpoo.jp/?p=0&q=%E8%A1%8C%E6%97%85%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E4%BA%BA
今日のお話は: 行旅死亡人について
さて、行旅死亡人というのは「身元不明」であるという前提があります。
つまり、身元が判明している探検家や冒険家はそこには属しません。
いい例が植村直己さんです。
彼は1984年、43歳で冬のマッキンリー山を登っているところで消息を断ちました。
所持品は後日発見されましたが、ご本人の遺体は発見されず。
その後、アラスカ州裁判所から彼の死亡認定が行われました。
その認定のもとに板橋区役所で死亡届が受理されました。
なぜ、植村氏は行旅死亡人ではなかったかというと、上記の身元が判明して、最後の交信や発見された所持品から状況を推測できたからです。
そして、アラスカ州裁判所と日本の行政にて死亡認定があったからです。
ただ、行旅死亡人と似ているのは、遺体が未だに発見されていないということで、この行方不明者の法的・行政の扱いの複雑さを表しています。
私の姉妹サイトのYEYSHONANでアメリカのアメリア・イアハートさんの話をしています。
彼女は行旅死亡人に近いのは1937年7月2日の単独太平洋飛行横断中に消息を断ったまま、未だに本人も機体も発見されておりません。
ちなみに12年前にYEYSHONANでは「アメリア・イアハート効果」のことを2012年8月15日に書いています。
書き起こしではリンクを貼っておきます。
そこからの展開でB2Bにてこの jFuneral.com を立ち上げることにしました。
本題に戻ります。
今回の京都での行旅死亡人はケータイやキャシュカード、診察券を保持していたにも関わらず、身元を割り出そうとしなかったのは非常に残念であり、多くのジャーナリストや行政関係者たちが京都市役所の怠慢に非難をしているのをXやFBで見ました。
法的に「生きたまま」になり、税金や公共料金が未納のまま処理されてしまっており、空き家問題にも発展。つまり郵便物は近隣の住民が預かり、家賃は滞納の状態が続きました。
それを考えたら、どれだけ京都市役所と京都府警がずさんな仕事をしていたかがわかります。
つまり役所全体のクリティカルシンキング機能がないと露呈したわけです。
そもそも役所は防災関係以外はその機能が働いていないのではと私は感じます。
たまにあるのが、朝のジョギング中に何も持たずに倒れてそのまま運び込まれるというケースが。そういうのは葬儀関係者でよく聞く話です。
犯罪性がないと確定した場合、身元の特定を最優先ないことが多い。DNAや歯型の調査もしないのだろうと。実際、時間と費用が掛かるというのがあるから。
そうなると遺族への連絡もどんどん遅れます。
朝のジョギングなら近所にお住まいだという前提がありますが調査しないことが多いのも見てきました。
遺族が捜索願を出していても、すべて明らかになるわけでもない。
葬儀の分野では、身元不明のまま火葬されてしまうケースも多々あります。
うちらでも「藤沢イの1号」「ロの2号」とか呼んで、火葬するケースも少なくないです。

こうなると、亡くなった人の尊厳が損なわれます。
文化的、宗教的な配慮が不足してしまうのはいうまでもありません。
ましてこれが外国人だったらどうなるか。
しかも外国籍だとわからないまま。
イスラム教徒やユダヤ教徒であって、火葬は絶対にやらないという人達が知らぬうちに火葬されて、判明した時点で大騒ぎになります。
外国にきて騒がれても困るのも事実です。
郷に入ったら郷に従えということわざが日本語以外にもあります。
When in Rome, do as the Romans do.
まず、行政で必要なことは身元確定のためのデータベース整備が必要。
身元不明者と発見した内容をつなぐシステムが重要です。
本来広域での連携体制が必要だが、情報共有することが予算と人員の制限のために難しいのもわかりますが。
一番の問題が1899年の法設定であるのと今までガイドラインがなく、各自治体で適当に運営しているからである。
総務省の調査では今では年間700〜800件くらいあるらしく、8割が男性らしい。
生活保護受給者がこの中には入っていないのは身元が判明していて、単に遺族が関わりたくないから引取拒否しているだけのケースもあります。
統計的に死亡場所の50%近くが山林や雑木林(青木ヶ原樹海など)や河川、湖、海であり、死因の25%以上が自殺と判明しています。
ただ、本当の数字が見えないのは「規定」や扱いが自治体ごとに決まっていないのと連携が取れていないからである。
火葬されてから、所轄の施設(この場合、葬儀屋さんも含む)で保管されて、遺族が現れるのを待つしかないのが現状です。
読売新聞の調査では、これが「無縁遺体」となって死後、引き取りのないご遺体になっています。
ご遺体というよりも遺骨ですね。
そして、自治体でルールが決まっているのは11.2%のみとのことです。
https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20241103-OYT1T50077
今の超高齢化社会、孤独死で発展するのは、日本の高齢者が60%の2200兆円の銀行預金高を保有していることで、新たに「相続財産管理人」課題が発展するだろうと。
身元の判明が遅れるだけでなく、難しくなるのは年々あるかと思います。
行旅死亡人の処理プロセスに基準がなく、不透明である課題が浮き彫りになっています。
現在、葬儀屋さんとして皆さんにお伝えできることは緊急連絡先を記載した何かを常に持ち歩くことです。
しかし、認知症の方々にもよくある話ですが、なかなか一筋縄で片付けられる内容ではないのが現状です。
すべて捨ててしまうことがありますから。
私の友人のお父上がそうでして、大変でした。
最後は私が友人のお父上のご葬儀の手配をいたしました。
皆さんも少しはおわかりいただけたでしょうか。
今日のお話はここまで。以上です。
ご清聴ありがとうございました。
また来週。
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