葬儀・葬送ビジネスポッドキャスト エピソード23 「成功した葬儀社」
今日は 2021年11月29日 です。
前回が26日の朝にアップしました。
そして、前回の内容が「ソフト(役務)のライフサイクル」でした
葬送儀礼のライフサイクルです。
今の葬儀の仕組みは戦後の仕組みで、冠婚葬祭互助会が作り上げた内容と言っても過言ではありません。
何故ならば、互助会システムで祭壇、飲食、香典返しで大きく利益を取ろうという仕組みになっているからです。もちろん、これに追従した一般の葬儀屋さんも同様ですが、社会がそれを望んだというのもあります。
戦前までは、地域一帯で葬儀を上げていたから、みんなが持ちつ持たれつの仕組みだったからですが、実際、高度経済成長により、そこまで手が回らなくなったという社会の変化もありました。
さて、今回の話は「成功した葬儀社」です。
成功した葬儀社の前に「成功」とは、そして「成功するには」を考える必要があります。
まず、「成功」の定義を考えたいかと思います。
広辞苑では
① 目的を達成すること。事業などをなしとげること。
広辞苑
② 転じて、地位や富を得ること。
③ 事業を成就した功績。
と書かれています
実は、企業の成功には微妙なところがあります。
私は以前、プリンタやコピー機の開発を行ってきました。
① モノは大量に売れたけど、利益はあまりでなかった。
② モノは少数売れたが、利益は多くあった。
③ モノは売れなかったが、製品を作ったときに出した特許がヒットした
④ モノは大量に売れたけど、他社の特許に触れて大赤字になった。
⑤ モノは売れなかった、利益も出なかった。
⑥ モノは売れたがリコールで最終的大赤字
このようなパターンをいくつか企業内で経験してきました。
④ と ⑥ が一番痛いですね
⑤ は諦め(笑)
① は薄利多売のメーカー気質
② と ③ はありがたい
では葬儀社というのは、前回の内容でお伝えしたように、ハードではなくソフトです。
つまり役務です。
役務で成功というのは何かと考えたいのと、成功するには何が必要かと。
世の中には色々な成功例とストーリーが流れています。
テレビやラジオ、ネットニュースであちらこちらで取り上げられています。
そこで、成功したビジネスとは何かを考えたことがあるでしょうか?
成功したと思ったら、インサイダー取引で御用になったどこかのCEOとかは笑えない。
さてビジネスで成功に必要な条件とは、
1つは利益性
1つは拡張性
1つは持続性
はい、①の利益性は先ほど申し上げた②と③の話である。
拡張性③である特許。
持続性は①と③が許す限り継続することですが、引き際も大切である。
利益率が良い葬儀はソフトであるからだった。
しかし、昨今、簡素化したのと、役務を最小限に抑える傾向がある家族葬や一日葬だと利益が出づらい。
そうなったら数をこなすしかない。
拡張性はある。
棺を豪華にするのではなく、お花を入れてもらうとか、きちんと法事をしてもらうとか(これも難しいけど)。
まず、一人作業である仕事は拡張性が乏しい。
とくに個人事業主や役者さんとかは本人以外いないから。
葬儀社は組織で行う仕事だから、色々と水平展開ができる。
そして持続性。
別の葬儀社から独立したからと言って、次の日から仕事が来るわけではない。
次に取引してくれる業者はどうなのか?
棺や骨瓶を仕入れられるのか、返礼品は?
祭壇のお花やご供花は?
つまり前の会社の信用度があったから仕事ができたものである。
看板がなくなれば、さぁどうするか?
石の上にも三年という諺すらある。
ネットで「優良 葬儀社」で検索しても出てくるのはデタラメに近い情報ですから
とくに小さなお葬式、よりそう、やさしいお葬式、e-sogi、イオン、お葬式コンシェルなどは自社施行していませんので。つまり、葬儀屋のブローカーです。
葬儀社の商社でもありません。
こういう情報しかネットでは出てきませんから注意してください。
そして利益率だけを見たら、件数だけで事業の良し悪しだけではわかりません。
そういう意味で、成功した葬儀社とはの定義は非常に難しいのが、上場して情報公開している葬儀社が数少ないからです。
まして四季報にもまともに載っていません。
四季報で表示されているカオスマップも本当に業界を知る人から見たら、抜けが多いどころか、どこで仕入れたんだ、この情報?って思うところがかなりあります。
それだけ、葬送ビジネスというのは未だにブラックボックスです。
さて成功させるにはマーケティングの仕組みを作り上げる必要があります。
まず仕組みを作り上げることです。
人件費などの固定費、そして変動費を入れた原価計算
税金なども忘れずに。
各々のプランはどうするか。
お葬式のプランを作り上げる必要があります。
仕入れは何か、外注するものはなにかを考えます。
お迎えに行く霊柩寝台車と出棺時の霊柩車は自社か、それとも外注か。
どこに頼むのか、そしてどこが都合がよいのか?
ご遺体の安置場はあるのか?
そこに冷蔵庫があるのか、電気代はどうなのか?
仕組みを作れないのは断片的なノウハウしかないからだ。
それが見よう見まねでやってきた新しい葬儀屋さんたちだ。
だから、葬送儀礼がデタラメだったりするが、遺族だって葬送儀礼を理解していないからどうにでもなっている時代でもある。
実に怖い話である。
仕組みを作ることでギャンブルにはならなくなる。
そして、重要度に優劣を作ることができる。
まず、小さなお葬式やよりそうを使うのはいいが、そこの依存性から抜け出さないとならない。
葬儀社の成功というのは、依存性から抜け出した葬儀社のことをいう。
つまり、ネームバリューと利益性、そしてお客様もハッピー。
数はこなしているが、評判が悪い葬儀社はいくつも知っている。
ただ、相手変わって主変わらずの世界だから人々は、そこの葬儀社をまた利用する。
仕事に失敗したとかなどは、よほどのことでない限り(喪主名を間違えたとか、違う人の会葬礼状だったり、祭壇で火災が起きたとか)、他の人にはわからない。
ある意味、筋トレして細マッチョな体になっているのと、肥満なのが服を着た状態だとよほどでない限りわからないのと一緒である。
仕組みとは自分のビジネスのどこが良いのか、どこが悪いのかを知ることです。
アイデアを整理整頓することが大切です。
そして、常にどこを改善をすることを知る必要があります。
私自身がPDCAという言葉を使うのは好きではないのは、仕組みが古いからですが、単純なものには効果があります。
マーケティングで成功している会社は事業でも成功していると言っても過言ではありません。
つまり、マーケティングはエサを撒くことで魚が寄ってっくることで、セールスはキャッチする作業だけです。
極論、マーケティングを制することでセールスは要らなくなります。
成功した葬儀社は数を伸ばしている、いないのではなく、利益率をきちんと確保している葬儀社です。
ハッキリ言ってしまえば従業員は固定費が増えるから少なくてよいのです。
必要なときに協力外注を使えばよいのです。
しかし、それは東京都内だけのビジネスモデルなんです。
すべてが揃っている東京。
首都圏で神奈川、千葉、埼玉ですら自社である程度のことができるようにせねばなりません。
成功した葬儀社はきちんとマーケティングを行っています。
ただ、会員と掛け金を集めている時代ではないことを理解しています。
もちろん、掛け金を積めるのは互助会以外ありません。
しかし、それでもきちんと「仕組み」を作っている葬儀屋さんはあります。
つまり、マーケティングとは仕組みを作って利益を上げることです。
お寺にも言えます。
今日のお話はここまでです。
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葬儀社というのは地場産業。
地域密着がもっとも大切な職業の一つでもあります。
八百屋さんやスーパーマーケットと変わらないです。
葬儀社の社員、一人ひとりが会社の広告塔です。
人材は宝です。
宝をより価値あるものにするのも、価値なきものにするのも社長の判断次第です。
さらに大切なことは、葬儀社もマーケティングする時代です。
マーケティングは、単なるホームページを作ったり、チラシを配ったりするだけではありません。
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今日のテーマは「成功した葬儀社」でした。
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お届けは今のところ、日本でたった一人の葬儀・葬送ビジネス・ポッドキャスターの和田でした。
ご清聴ありがとうございました。
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